九州の正教会

日本ハリストス正教会のグレゴリー神父です。熊本県人吉市から情報発信しています。

2022-01-01から1年間の記事一覧

福岡で主の昇天祭 ウクライナ出身信徒のこと

昨日は福岡伝道所で、主の昇天祭の聖体礼儀を執り行いました。 イコン「主の昇天」(人吉ハリストス正教会蔵) 主の昇天祭は、キリストが復活から40日目に昇天したこと(ルカ24章、使徒1章)を記念するもので、復活祭に次いで重要な12の祭「十二大祭」の一つ…

ウクライナ繋がりの1週間 新聞にも掲載されました

先日も投稿しましたが、わが教団も教区も5月末決算です。 私は西日本教区の決算事務を担当しているので、今週は年間の仕訳帳を費目別に集計し、昨日宗務局長(教区の事務局長)に提出。これから収支計算書(一般企業の損益計算書に相当)と貸借対照表をまと…

初めての小倉での聖体礼儀

先週の日曜日は九州着任後、初めて北九州市の小倉で聖体礼儀を行いました。「地区集会」というスタイルです。 前日の土曜日は熊本で講演を行い、終了後に小倉まで移動して宿泊しました。人吉から片道300㎞近い大移動です。 日本正教会は明治期、全国に教会を…

熊本でのウクライナ支援講演会 ネットの拡散力に驚く

以前も投稿しましたが、日本正教会は教団も各教区も、多くの個別の教会も5月末決算のため、今は多忙な時期です。私の場合は会計業務を税理士か誰かにアウトソーシングできるほどの大教会ではないため、祈祷だけでなく、事務仕事も自分がやらなければならなく…

事故 その後

5月に入って急に春先のような冷え込みが続いていましたが、ここ数日は日中30℃近くまで気温が上がってきました。 遅れていた近所の田植えも続々と始まりました。 今朝は司祭館の前の田んぼでも、田植えが行わていました。 司祭館の前の田んぼ さて、先週土曜…

鹿児島と人吉で祈祷 自分の交通事故のことは後回し

一昨日は九州道で事故に遭って大変でしたが、九州には私以外に神父がおらず、誰にも代わってもらえませんので、昨日は朝から予定通り鹿児島ハリストス正教会に行き、聖体礼儀を執り行いました。 www.youtube.com 鹿児島教会の敷地にはたくさんの植物が植えら…

追突事故に遭いました…

今週は教会報の印刷と封筒詰めに加え、教区の年度決算の仮集計で、事務仕事の毎日でした。 すると木曜日に、人吉教会所属信徒の永眠の連絡が… 1月末に97歳で永眠されたOさんの、95歳の奥様です。 結婚して70年以上、共に元気に生きて来られて、相次いで天国…

熊本巡回と高齢信徒へのケア

昨日は熊本ハリストス正教会に巡回。復活大祭の聖体礼儀を執り行いました。 今年の復活大祭の祭日は4月24日で、それ以後は毎週日曜日ごとにテーマがあって「○○の主日」という名称もついており、聖書の朗読箇所も当然違うのですが、私は一人で4教会を兼務して…

ウクライナで戦禍に苦しむ人々へのメッセージ動画

宮崎市の有志の方たちが、ウクライナで戦禍に苦しむ人々への励ましのために、「Playing for Ukraine」というサイトで音楽演奏の動画を配信していることは既にご紹介しています。 Playing for Ukraineのリンク https://sites.google.com/view/playingforukrai…

人吉での復活祭と廻家祈祷

昨日は人吉ハリストス正教会で復活祭の祈祷を行いました。 www.youtube.com 復活祭の祈祷は、聖堂の外を一周して回る十字行でスタートします。4月24日の鹿児島での祈祷は大雨で十字行を取り止めましたが、今回は朝から晴天で十字行をすることができました。 …

チャイコフスキーとウクライナ

4月24日以降、毎週日曜日は九州各地の教会を巡回して復活祭の祈祷を行っています。 明日はホームグラウンド(?)の人吉教会での復活祭です。 連休で出張している間に雑草が猛烈な勢いで伸び、復活祭の開式の十字行(聖堂の周囲を行列すること)にも支障をき…

福岡と鹿児島へ 出張続きのGW

久しぶりの投稿です。 4月30日の午後から4泊5日で福岡に出張。5月4日の夕方にいったん帰宅して、5日は鹿児島に日帰り出張でした。 ゴールデンウィークはほぼ丸々、出かけていたことになります。 5月1日(日)は福岡伝道所で、復活祭の聖体礼儀を行いました。…

長崎にて 原爆とキリシタンの苦難をしのぶ

26日(火)から二泊三日で長崎に行っていました。復活祭後の廻家祈祷(信徒訪問)に合わせて、現地で原爆の遺構を見て来ようと思ったからです。 26日の九州は終日、まるで台風のような大雨と強風でした。 そのため、熊本から島原へ行くフェリーが欠航になっ…

鹿児島で迎えた復活祭

鹿児島への出張三日目。今日はいよいよ復活大祭です。 復活大祭の祈祷は深夜に開式し、日の出前に終わらなくてはならないというのが正教会の定めです。聖書には、日曜日の夜明けにマグダラのマリヤらがイエスの墓に行った時、既にイエスは復活した後で墓には…

聖大土曜日 死から復活への移動日

今日は復活祭の前日の聖大土曜日。日本正教会用語では「聖大スボタ」といいます。スボタとは「安息日」を意味する教会スラブ語で、曜日としては土曜日のことですが、わが国では馴染みがない単語なので、私は一般向けの文章では「土曜日」と表記しています。 …

聖大金曜日 キリストの受難の記念日

今日は聖大金曜日。キリストの受難の記念日です。 平日の祈祷は人吉ハリストス正教会で執り行っていましたが、今年の復活祭の当日は鹿児島の巡回日に当たっていたので、金曜日と土曜日の祈祷も鹿児島で行うことにしました。 昼に鹿児島ハリストス正教会に到…

聖大木曜日について

今日は復活祭前の木曜日。正教会では聖大木曜日(Holy Great Thursday)といいます。キリストが十字架につけられる前夜、12人の弟子たちと囲んだ晩餐を記念します。 一般的には「最後の晩餐」と呼ばれますが、正教会ではこの時にキリストがパンと葡萄酒をご…

受難週間の祈祷 & ウクライナ支援活動の進展

今週は復活祭前の1週間「受難週間」(Passion Week)です。読んで字のごとく、キリストの受難を記憶する期間であり、毎日祈祷を執り行っています。 月曜日から水曜日までは、それぞれ7つの祈祷(早課、一時課、三時課、六時課、九時課、晩課、先備聖体礼儀)…

聖枝祭 「枝」とは何の木の枝?

今日は人吉ハリストス正教会で聖枝祭の聖体礼儀を執り行いました。聖枝祭とは復活祭の1週間前の日曜日で、イエスのエルサレム入城を記念する祭日です。 www.youtube.com ヨハネによる福音書12章では、エルサレム市民がシュロの枝を持ってイエスを迎えたとあ…

九州でのウクライナ支援活動者の皆さんとともに

人吉では連日夏日が続いていて、あたり一面いろいろな花が咲き誇っています。 人吉ハリストス正教会の敷地の入口にはフジの木が自生しているのですが、この花も見事に満開です。 人吉ハリストス正教会に自生しているフジの木 さて先月の鹿児島巡回の時、ウク…

二人のマリヤにささげた週末

先週の土曜日は人吉ハリストス正教会で、大斎第五土曜日の早課と聖体礼儀を執り行いました。 この日は生神女(イエスの母)マリヤに捧げられた日であり、早課の中で司祭が生神女を讃美するアカフィストという祈祷文を朗読することから、「アカフィストのスボ…

生神女福音祭 そもそも「福音」って何?

私の住む人吉では、日中の気温は連日20℃を超え、桜もほとんど散ってしまいました。教会の敷地に勝手に生えている菜の花もすくすく成長し、雑草のレベルを通り越してちょっとした茂みのようになっています。第三者的に花を眺めている分には良いかもしれません…

福岡に巡回 来月はもう復活祭

先週末は福岡伝道所に巡回しました。 出張の時に持ち歩いている黒い布を台にかけて、にわか大斎モードに模様替えしました。 大斎カラーの黒布 www.youtube.com 聖体礼儀ではいつも通り、ウクライナでの戦禍に苦しむ人々の救いと世界平和の実現を祈念して、晩…

教会の新年度とは?

今日は4月1日。わが国では一般に新年度とされています。 これは、明治新政府が官公庁の会計年度を4月1日始まりとしたことに由来します。これに引っ張られる形で、学校の学年や多くの民間企業の会計年度も4月始まり・3月締めになっています。 私が以前勤めて…

鹿児島でのご縁 ウクライナ避難民支援に向けて第一歩

先週末は鹿児島ハリストス正教会に巡回しました。 土曜日の夕刻に教会に着いて、妻と二人で聖堂内の内装を黒色に模様替えしました。鹿児島の聖堂は広いので、作業に1時間ほどかかってしまいましたが、いかにも「大斎の正教会」という姿になって満足です。 聖…

奥球磨の桜と歴史を探訪

数日前、地元で桜が開花しましたが、たちまち見頃になりました。 天気予報で明日の南九州は大荒れの悪天候になると言っていましたので、散ってしまう前に今年の桜を見ておこうと思い、水上村の市房ダムまで行ってみました。 ここのダム湖畔には約1万本の桜が…

熊本へ巡回 田原坂で西南戦争について思う

先週末は熊本に巡回しました。 熊本ハリストス正教会は約140年の歴史がありますが、いまは所属信徒が3世帯まで減ってしまい、細々とやっています。 大斎の装飾用の黒い布も調達できないので、人吉から持参して祈祷の間だけ祭壇にかけています。 熊本ハリスト…

信仰は権力に屈しない 正教勝利の主日

先週末は福岡に巡回していました。 www.youtube.com 福岡伝道所にはウクライナ出身の女性信徒が通っています。 彼女の故郷のドネツクは、まさにロシア軍に蹂躙されている地域です。わが人吉のように、不可抗力の自然災害だったならともかく、戦争という「人…

東日本とウクライナ 理不尽に命を奪われた人々への祈り

昨日、3月10日は1945年の東京大空襲で、10万人を超える東京都民が亡くなった日です。 太平洋戦争は1937年の日中開戦、つまり日本の中国への軍事侵攻が発端ですが、為政者が始めた戦争に多くの一般市民は責任がありません。よって彼らが攻撃対象とされ、いく…

シリアの聖エフレムの祈り「兄弟を裁かせないでください」

いよいよ大斎(Great Lent)、つまり4月24日の復活祭を迎える前の7週間の準備期間に入りました。 「大斎初週」、つまり大斎に入って最初の一週間は特に重要で、「大斎初週祈祷」という一連の祈祷が朝から晩まで行われます。 もっとも修道院などとは異なり、…