九州の正教会

日本ハリストス正教会のグレゴリー神父です。2019年から九州全域を担当しています。

2022-03-01から1ヶ月間の記事一覧

鹿児島でのご縁 ウクライナ避難民支援に向けて第一歩

先週末は鹿児島ハリストス正教会に巡回しました。 土曜日の夕刻に教会に着いて、妻と二人で聖堂内の内装を黒色に模様替えしました。鹿児島の聖堂は広いので、作業に1時間ほどかかってしまいましたが、いかにも「大斎の正教会」という姿になって満足です。 聖…

奥球磨の桜と歴史を探訪

数日前、地元で桜が開花しましたが、たちまち見頃になりました。 天気予報で明日の南九州は大荒れの悪天候になると言っていましたので、散ってしまう前に今年の桜を見ておこうと思い、水上村の市房ダムまで行ってみました。 ここのダム湖畔には約1万本の桜が…

熊本へ巡回 田原坂で西南戦争について思う

先週末は熊本に巡回しました。 熊本ハリストス正教会は約140年の歴史がありますが、いまは所属信徒が3世帯まで減ってしまい、細々とやっています。 大斎の装飾用の黒い布も調達できないので、人吉から持参して祈祷の間だけ祭壇にかけています。 熊本ハリスト…

信仰は権力に屈しない 正教勝利の主日

先週末は福岡に巡回していました。 www.youtube.com 福岡伝道所にはウクライナ出身の女性信徒が通っています。 彼女の故郷のドネツクは、まさにロシア軍に蹂躙されている地域です。わが人吉のように、不可抗力の自然災害だったならともかく、戦争という「人…

東日本とウクライナ 理不尽に命を奪われた人々への祈り

昨日、3月10日は1945年の東京大空襲で、10万人を超える東京都民が亡くなった日です。 太平洋戦争は1937年の日中開戦、つまり日本の中国への軍事侵攻が発端ですが、為政者が始めた戦争に多くの一般市民は責任がありません。よって彼らが攻撃対象とされ、いく…

シリアの聖エフレムの祈り「兄弟を裁かせないでください」

いよいよ大斎(Great Lent)、つまり4月24日の復活祭を迎える前の7週間の準備期間に入りました。 「大斎初週」、つまり大斎に入って最初の一週間は特に重要で、「大斎初週祈祷」という一連の祈祷が朝から晩まで行われます。 もっとも修道院などとは異なり、…

大斎のスタートは「赦し合い」から

今日は人吉ハリストス正教会で聖体礼儀を行いました。 大斎前の最終日であり、酪農製品を食べ尽くす日曜日という意味で「乾酪の主日」(Cheese Fare Sunday)、また夕刻の赦罪の晩課で参祷者全員が自らの過ちを互いに赦し合うことから「赦罪の主日」(Sunday…

ウクライナと全世界の戦禍に苦しむ人のための祈り 毎週続けます

ウクライナへのロシア軍の侵攻が始まって2週目に入りました。 先週末の鹿児島巡回では、戦争で理不尽に生命を奪われたウクライナ市民のために永眠者祈祷(死者の連祷)を献じました。 しかし、戦闘は拡大の一途であり、国外に逃れた人々が既に100万人を超え…

ひな祭りに思う ヘイトクライムは戦争に加担するのと同じ

今日は桃の節句、いわゆるひな祭りの日です。 先週末の鹿児島巡回の時、島津家の屋敷である仙厳園に立ち寄ったら、御殿(島津邸)に九州各地のローカルなひな人形が飾られていました。 九州のローカルなひな飾り 別の場所には島津家所蔵の、江戸時代の豪華な…