九州の正教会

日本ハリストス正教会のグレゴリー神父です。熊本県人吉市から情報発信しています。

神学

生神女誕生祭 満開のヒガンバナと中秋の名月で迎える

9月21日(ユリウス暦の9月8日)は、イエスの母マリヤの誕生を記憶する生神女誕生祭(Nativity of the Theotokos)です。 ギリシャやルーマニアなど、教会暦にグレゴリオ暦を採用している正教会では、暦どおりに9月8日が祭日となります。もちろんカトリック教…

トルストイの「破門」とは何だったのか

今日は私たち夫婦の結婚記念日です。 もっとも、妻は昨日が二回目のコロナワクチン接種だったので、副反応を考慮してお祝いはささやかながら先週末にしました。肝心の副反応は現時点で全くないのですが(笑)。 さて9月9日はロシアの文豪・トルストイの誕生…

エルサレムの神殿 ユダヤ人の信仰のアイデンティティ

本日、9月7日は西暦70年、ユダヤ戦争においてローマ軍がエルサレムを占領した日です。 西暦66年、ローマ帝国のユダヤ属州総督がエルサレムの神殿の宝物を略奪したことをきっかけに、ユダヤ人による反ローマ暴動が発生しました。エルサレムの神殿は当時のユダ…

生神女就寝祭 マリヤはこの世で死んだのか死んでいないのか

8月28日(ユリウス暦の8月15日)は、イエスを生んだ母マリヤ(生神女)がこの世での生涯を終えて、眠りに就かれたことを記念する生神女就寝祭(Dormition of the Theotokos)です。 正教会では最も重要な祭日である復活祭に次いで、12の大きな祭日があり、十…

主の変容について

8月19日(ユリウス暦の8月6日)は、主の変容を記念する「主の顕栄祭」です。 主の変容とはマタイによる福音書17章、マルコによる福音書9章、ルカによる福音書9章に共通して書かれている出来事です。 イエスは弟子たちのうちの三人、ペトロ、ヨハネ、ヤコフを…

神でない聖人たちをなぜ敬い、祈るのか

今日は鹿児島ハリストス正教会で聖体礼儀を執り行いました。 毎年の教会の典礼のカレンダーは、常に復活大祭(今年は5月2日)が中心となり、その前の7週間の「大斎期間」と、復活大祭後7週間の「五旬祭期」があります。つまり、キリスト教信仰の根幹を成す「…

初代京都の主教 聖アンドロニク

昨日、6月20日は「神品致命者・ペルミの大主教聖アンドロニク」の祭日(記念日)でした。 彼は最初の京都主教であり、わが西日本教区では、主教座である京都ハリストス正教会の聖堂建立100周年にあたる2003年に、日本語で「初代京都の主教」という文言を入れ…

聖五旬祭(ペンテコステ) 聖霊と教会 

今日は復活大祭から50日目の「聖五旬祭」(ペンテコステ)。正教会では復活大祭に次ぐ12の大きな祭日「十二大祭」の一つです。 人吉ハリストス正教会で聖体礼儀に引き続き、使徒行伝2章に記された聖霊降臨を記念する聖五旬祭主日晩課という特別な祈祷を行い…

主の昇天は復活祭の「千秋楽」

本日、6月10日は5月2日の復活大祭から40日目。キリストの昇天を記念する「主の昇天祭」です。 復活大祭は必ず日曜日と決まっていますので、必然的に昇天祭は木曜日となります。一般論として人々が教会に来るのは平日より日曜日の方が多いので、どうしても昇…

九日祭パニヒダ 教会はどういうサイクルで法事(?)があるの、とお尋ねの方へ

一昨日、福岡伝道所の所属信徒でウクライナ出身のイリナさん(仮名)から電話がありました。 6月1日にウクライナにいるお母様が永眠し、葬儀は現地で終わっているのだが、九日祭と四十日祭のパニヒダ(永眠者への祈祷)を私に執行してほしいと言うのです。 …

コンスタンティヌス大帝 世界史の授業でちゃんと教えていないこと②

今日はコンスタンティヌス大帝の話の続き。彼が天下統一に成功してローマ帝国の最高権力者になった後のことです。 コンスタンティヌスはまず、首都の移転に着手しました。 ローマ帝国は元々、イタリア半島の都市・ローマからスタートして大国になりました。…

コンスタンティヌス大帝 世界史の授業でちゃんと教えていないこと①

6月3日(ユリウス暦の5月21日)は、正教会でコンスタンティヌス大帝(日本正教会の表記ではスラヴ語読みでコンスタンチン)と、母親のエレナ皇太后の記念日です。二人は使徒ではないが、使徒に匹敵する働きをした聖人に与えられる「亜使徒」という称号で呼ば…

本のすすめ~カリストス・ウェア『正教の道』

先週、人吉ハリストス正教会に草刈りに行ったら、新教出版社から私宛てに郵送された本が旧司祭館の郵便受けに入っていました。 人吉を含め、九州の教会はどこも無住ですので、郵便物が届くと場合によっては次の巡回まで一か月放置されてしまいます。そのため…

サマリヤ婦の主日 キリストとの出会いが人生を変える

今日は人吉ハリストス正教会で「サマリヤ婦の主日」の聖体礼儀を執り行いました。 これはヨハネによる福音書第4章に記された、イエスとサマリア人の女との出会いを記憶するものです。 イエスとサマリアの女(ヨハネ4章) www.youtube.com この福音書のテーマ…

教会はコロナワクチン接種に賛成か反対か

昨日、午後5時に急にスマホが鳴り出し、緊急避難情報が表示されました。これから人吉地方が大雨になるので、高齢者を優先して避難するように、との内容です。 今は雨なんか降っていないのになぜ、と思いましたが、昨年の豪雨災害は未明に発生したため、逃げ…

スラヴ民族に文字を キュリロスとメトディオスの功績

5月24日(ユリウス暦の5月11日)は、キュリロスとメトディオス兄弟の記念日です。 彼らは9世紀にテッサロニキで生まれたギリシャ人で、弟のキュリロス(スラヴ語でキリル)はスラヴ語のアルファベットである「グラゴル文字」を考案しました。彼らの死後、弟…

携香女の主日 神に仕えるのに男性も女性もない

今日は人吉ハリストス正教会で復活祭期第三主日の聖体礼儀。 この日は「携香女の主日」(Sunday of the Myrrhbearing Women)と呼ばれます。この携香女とは、無残に処刑されて葬られたイエスの遺体を清めるため、没薬(遺体に塗る香料)を携えて墓に行き、イ…

病者洗礼 立ちはだかったハードル

今日は鹿児島ハリストス正教会で、闘病中のマチ子さん(仮名)の洗礼を行いました。 マチ子さんの娘の夏子さん(仮名)は鹿児島市出身で米国在住。ギリシャ系のご主人と結婚し、ご自身も正教徒です。 先月、夏子さんは病気が進行したマチ子さんの看病のため…

キリスト教社会共通の人気者 聖ゲオルギオスの日

今日はユリウス暦の4月23日、聖ゲオルギオス(日本正教会の表記は聖大致命者ゲオルギイ)の祭日です。 ゲオルギオスは古来、東西キリスト教会に共通して大変人気のある聖人です。ジョージ(英語)、ジョルジュ(フランス)、ジョルジョ(イタリア)、ホルヘ…

正教会では「食」も信仰生活の一環

昨日は4月にご葬儀を行った方の40日祭パニヒダ(故人の永眠後40日目を記憶する祈り)を執り行うため、福岡に出張していました。 5月2日に福岡で復活祭を執り行い、現地に泊まって翌日にパニヒダを献じる予定でしたが、福岡県の外出自粛要請を受けて、公開の…

聖大土曜日 主の死から復活への「移行期間」

今日は復活祭前日の聖大土曜日。朝から聖体礼儀を行いました。 この祈祷は年に一回だけの特別なもので、十字架上で死んだキリストが墓の中で復活したこと、つまり言わば「墓の中で死から復活へ移行」していることを記憶するものです。 www.youtube.com まず…

聖大金曜日 「芝居」でなく「典礼」で見せる受難劇

今日はイエスの十字架上の死と葬りを記憶する聖大金曜日です。 昨日、受難週間(聖週間)において主の受難を記憶するにあたり、ヨーロッパの教会(つまりカトリック教会やプロテスタント教会)で「受難劇」や「受難曲」といった、芝居やオラトリオ(演技のな…

十二福音の読み ~正教会流「ヨハネ受難曲」

いよいよ復活祭が近づいてきましたので、今日は妻がクリーチを作りました。今日焼いたものに、明日トッピングをする予定です。 クリーチとは復活祭の時に食される菓子パンのロシア語名です。セルビアやルーマニアなど、バルカン諸国ではホールケーキのような…

門司で船舶成聖式

昨日から泊りがけで北九州市に出張していました。 今日の11時に門司区の太刀浦埠頭でギリシャ船の船舶成聖式を行うためです。 「成聖」(Blessing)とは、いろいろな物品や食べ物に聖水をかけて、それを使用したり食べたりする人に神の祝福があるように祈る…

アカフィストのスボタについて

今日は人吉ハリストス正教会での子育てサロンの日。 いつも来ている母子が二組、見えられました。 今日の参加者たち 夕刻からは聖堂で、アカフィストのスボタ(大斎第五土曜日)の早課を執り行いました。 www.youtube.com 「アカフィスト」も「スボタ」も教…

子どもと天国~幼児の葬儀を司祷して

昨日は福岡市内でご葬儀を司祷しました。 個人情報の問題もありますので、被葬者は「不慮の出来事で突然亡くなった幼いお子さん」とだけ記します。 埋葬式の後、子どもの死で精神に変調をきたしてしまった母親と面会するように遺族から依頼されたので、収容…

志村けんさんの一周忌 永眠者との「お別れ」の意味を考える

九州南部ではすっかり桜も終わり、ツツジの花が開きました。 先週末、鹿児島教会に行く前に立ち寄った伊佐市・曽木のダム湖畔では、シャクナゲが見事に咲いていて驚きました。 曽木で見かけたシャクナゲの花 鹿児島教会に到着してみると、境内のツツジが満開…

正教勝利の主日~イコンと偶像とは意味が違う

今日は人吉ハリストス正教会で大斎第一主日の聖体礼儀。 聖体礼儀後に信徒総会を開催。昨日、資料を準備しておいたので滞りなく終わりました。 ただ、決算月が12月である関係上、総会を3月末に行ってきたのですが、教会の役員は公的な仕事に就かれている方た…

あっという間に春本番~大斎は復活への希望に満ちた期間

今週から大斎が始まり、人吉ハリストス正教会で毎朝夕の「大斎初週祈祷」を続けています。 大斎初週祈祷(晩課) それにしても、2月後半から暖かい日が続いています。調べてみたら3月になってから今日までの17日間で、20℃以上の日が8日、18℃以上まで広げると…

赦罪の主日~「他人を赦す」とは相手のためではなく、むしろ自分のため

今日は熊本ハリストス正教会で、赦罪の主日(Sunday of Forgiveness)の聖体礼儀を行いました。 コロナ禍とはいえ、14人も参祷者がありました。私が一昨年に九州に着任してから、熊本教会では最多です。 着任当初は参祷者ゼロの時もありましたが、今は夢のよ…