九州の正教会

日本ハリストス正教会のグレゴリー神父です。熊本県人吉市から情報発信しています。

神学

ベネディクト16世の最後の言葉に思う

日本正教会では明日の1月7日(ユリウス暦の12月25日)が降誕祭です。私は福岡で降誕祭の祈祷を執り行うことにしています。 今日は降誕祭の前日、英語でいうクリスマスイヴです。 クリスマスイヴとは、わが国では「クリスマスの前夜」と誤解されている向きが…

この新年が「主の禧年(よろこばしき年)」となりますように

新年明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。 元日の今朝は晴天との予報だったので、初日の出を見に行きました。 司祭館のすぐ近くに小高い丘があり、頂上が村山公園という公園になっていて、人吉市内が見渡せる展望台があります…

生神女進堂祭 自分自身の体こそが神殿

昨日、12月4日は福岡伝道所に巡回しました。 この日(ユリウス暦の11月21日)は生神女進堂祭の祭日です。 www.youtube.com イコン「生神女の進堂」 生神女進堂祭とは、生神女(イエスの母)マリヤが3歳の時、両親のヨアキムとアンナのもとを離れてエルサレム…

福岡巡回 子どものための祈祷

昨日は福岡伝道所に巡回し、聖体礼儀を執り行いました。 www.youtube.com 毎年、11月の福岡巡回の時は子どもの健やかな成長を祈念して祈祷を献じています。 「学童就学時の祈祷」の典礼文を用いていますが、固い言い回しなので「子どもモレーベン」と名づけ…

イコンは偶像ではない 第七全地公会記念日

昨日は鹿児島ハリストス正教会に巡回していました。 全国的に秋が深まってきた感がありますが、昨日の鹿児島は28℃。さすが南国です! 鹿児島ハリストス正教会での聖体礼儀 www.youtube.com 帰宅すると、横浜在住のWさんから贈られたギリシャ製のイコンが届き…

人吉で生神女庇護祭 生神女の「庇護」とは?

昨日は人吉ハリストス正教会で生神女庇護祭(祭日は10月14日)の聖体礼儀を執り行いました。 人吉教会は「生神女庇護聖堂」、つまり生神女庇護を記念した聖堂なので、生神女庇護祭は教会の記念日(堂祭)となります。 人吉教会での生神女庇護祭聖体礼儀 www.…

熊本に巡回 10月9日は何の祭?

昨日は熊本ハリストス正教会に巡回しました。 熊本ハリストス正教会での聖体礼儀 www.youtube.com この日は嬉しい申し出がありました。 熊本教会の信徒数は2世帯3人まで減っているのですが、執事長の奥様から洗礼の申し出がありました。 執事長のお宅は明治…

十字架を讃美するとはどういう意味か

一昨日は福岡伝道所に巡回し、十字架挙栄祭の聖体礼儀を執り行いました。 www.youtube.com 十字架挙栄祭では聖堂の中央に花で飾り付けた十字架を安置し、参祷者はそれに伏拝(ひれ伏すこと)して讃美することが正教会の伝統です。 聖体礼儀では祈祷の終了時…

神はその民を顧みた(ルカ7:16)

明日から一泊で福岡巡回です。 今日はそれに備えて、前任地の横浜教会所属信徒のクセニアさん(仮名)から送られてきた小麦粉で、妻が聖体礼儀に用いるパン「聖パン」を焼きました。 クセニアさんはウクライナ出身のシングルマザーで、一人息子のイリヤくん…

主の顕栄祭 収穫への感謝とキリスト教の伝統

今日は人吉ハリストス正教会で、主の顕栄祭を執り行いました。 主の顕栄祭とは、キリストの変容(マタイ17章)を記念する祭で、本来の祭日は8月19日(ユリウス暦の8月6日)です。 祭の位置づけとしては、復活祭に次いで重要な12の祭「十二大祭」の一つ。つま…

熊本で聖五旬祭 聖霊降臨がもたらしたのは「福音宣教」

今日は熊本ハリストス正教会に巡回。復活祭から50日目の聖五旬祭の祈祷を執り行いました。この聖五旬祭とは旧約の信仰(今日のユダヤ教)では、過越祭から50日目の祭日のことでしたが、キリスト教ではキリストの復活の後の聖五旬祭の日に起きた「聖霊降臨」…

鹿児島で迎えた復活祭

鹿児島への出張三日目。今日はいよいよ復活大祭です。 復活大祭の祈祷は深夜に開式し、日の出前に終わらなくてはならないというのが正教会の定めです。聖書には、日曜日の夜明けにマグダラのマリヤらがイエスの墓に行った時、既にイエスは復活した後で墓には…

聖大土曜日 死から復活への移動日

今日は復活祭の前日の聖大土曜日。日本正教会用語では「聖大スボタ」といいます。スボタとは「安息日」を意味する教会スラブ語で、曜日としては土曜日のことですが、わが国では馴染みがない単語なので、私は一般向けの文章では「土曜日」と表記しています。 …

二人のマリヤにささげた週末

先週の土曜日は人吉ハリストス正教会で、大斎第五土曜日の早課と聖体礼儀を執り行いました。 この日は生神女(イエスの母)マリヤに捧げられた日であり、早課の中で司祭が生神女を讃美するアカフィストという祈祷文を朗読することから、「アカフィストのスボ…

生神女福音祭 そもそも「福音」って何?

私の住む人吉では、日中の気温は連日20℃を超え、桜もほとんど散ってしまいました。教会の敷地に勝手に生えている菜の花もすくすく成長し、雑草のレベルを通り越してちょっとした茂みのようになっています。第三者的に花を眺めている分には良いかもしれません…

信仰は権力に屈しない 正教勝利の主日

先週末は福岡に巡回していました。 www.youtube.com 福岡伝道所にはウクライナ出身の女性信徒が通っています。 彼女の故郷のドネツクは、まさにロシア軍に蹂躙されている地域です。わが人吉のように、不可抗力の自然災害だったならともかく、戦争という「人…

シリアの聖エフレムの祈り「兄弟を裁かせないでください」

いよいよ大斎(Great Lent)、つまり4月24日の復活祭を迎える前の7週間の準備期間に入りました。 「大斎初週」、つまり大斎に入って最初の一週間は特に重要で、「大斎初週祈祷」という一連の祈祷が朝から晩まで行われます。 もっとも修道院などとは異なり、…

最後の審判の判定基準は「隣人愛」

昨日は鹿児島ハリストス正教会で断肉の主日(Meat Fare Sunday)の聖体礼儀を執り行いました。 www.youtube.com 今年の正教会の復活祭は4月24日ですが、そのための約7週間の準備期間として3月7日(正確には3月6日の日没)から大斎に入ります。 キリスト教古…

祈祷文「天皇のために禱る」の意味

いま、ウクライナ情勢が世界の注目を集めています。 昨日、私の管轄の信徒から「ロシアとウクライナが事実上の戦争状態になりましたが、日本正教会にどのような影響がありますか」と問い合わせがありました。つまり、ロシア・ウクライナ二国間問題に対して日…

税吏とファリセイの主日 他人と自分を比べることは不幸の源

昨日は熊本ハリストス正教会で聖体礼儀を行いました。 www.youtube.com 教会暦は復活祭(今年は4月24日)の前の約7週間を、節制によって復活祭を迎える準備をする期間「大斎」(おおものいみ)とし、さらに大斎に入る前の3週間を大斎準備週間としています。 …

講演『イスラームと正教会』 盛況に感謝

先週の金曜日、2月11日に西日本教区の冬季セミナーが開催されました。 事前収録した私の講演『イスラームと正教会』をZoomでの参加者に視聴いただき、質疑応答するシステムです。 アヤソフィヤ(講演のパワーポイントより) www.youtube.com コロナ禍以降、…

神現祭の日に新たな挑戦

今日はユリウス暦で1月6日であり、正教会の大祭の一つである神現祭(Epiphany)の日となります。 神現祭とはイエスがヨルダン川で洗礼者ヨハネから洗礼を受け、三位一体の神の子であることを示した出来事(マタイ3章)を記念する祭です。 イコン「主の洗礼」…

新年の辞「義の日を拝み、上よりの東を悟る」

新年明けましておめでとうございます。 本年もよろしくお願い申し上げます。 今朝は妻と球磨川べりに初日の出を見に行きました。 明日は日曜日で祈祷がありますから、どこか遠くに出かけるつもりはなく、またこちらで初日の出を見たことがなかったので、昨夜…

嵐の海へ 船舶成聖式顛末記

今日はいよいよ長崎でのギリシャ船籍の新船「アトランティック・ホーク」の船舶成聖式。 昨日場所を確認した渡船乗場に正午に来いとの指示です。 それで午前中は雨の長崎の街をのんびり散策していたら、施主(神戸の外資系船会社のギリシャ人社長)から電話…

今日は生神女進堂祭

今日から福岡と小倉に3泊4日で出張しますので、しばらく投稿はお休みです。いつものように福岡で日曜日の聖体礼儀を行うのに加え、小倉でも集会ができるように候補地の下見をして来ます。 ちなみに今日(ユリウス暦の11月21日)は、正教会の十二大祭の一つ「…

ペットとの別れをどう考える? 

昨年10月、15年以上飼っていた愛犬のほたるが死にました。 人吉で共に過ごした最後の1年は認知症が進み、介護が大変でしたが、安らかに天寿を全うさせてやることができたと思います。 frgregory.hatenablog.com ほたるが死んでちょうど1年となる先月、火葬の…

教会での結婚式の準備!

今度の日曜日は人吉ハリストス正教会で婚配式(正教会の結婚式)が行われます。 カップルは福岡伝道所所属のオーストラリア人女性信徒と、先々週に洗礼を受けた長崎市在住の男性です。 福岡伝道所は狭すぎて(正味6畳ほど)婚配式を執行するのが不可能なので…

キリスト教で11月は死者の月?

今日は唐津くんちが2年ぶりに開催されるということで、人吉から片道3時間かけて見に行くつもりでいました。 7月に唐津を訪ねて曳山展示場を見学して、これが実際に祭で街をパレードするところをぜひ見たいと思っていたからです。 frgregory.hatenablog.com …

生神女庇護祭 神でないマリヤになぜ祈るのか

10月14日(ユリウス暦の10月1日)は、正教会独自の祭日である生神女庇護祭(しょうしんじょひごさい)です。 この祭日は10世紀に起きた生神女庇護の奇蹟に由来するものです。 10世紀初め、ビザンチン帝国はイスラム諸国の度重なる侵略を受け、首都コンスタン…

「永遠の記憶」と「幾とせも」 永遠と永久はどこが違う?

正教会では永眠した人には「永遠の記憶」(Memory Eternal!)、存命の人には「幾とせも」(Many Years!)と、祈りの言葉が決まっています。 どちらも平たく要約すれば、神がその人をいつまでも変わることなく覚えてくださいますように、という意味になります…