九州の正教会

日本ハリストス正教会のグレゴリー神父です。2019年から九州全域を担当しています。

人吉での最後の大斎初週祈祷

今年、世界の正教会は3月18日(正確には17日の日没)から大斎に入りました。

大斎(おおものいみ。Great Lent)とは祈りと節制を通して、約7週間かけて復活祭を迎える準備をする期間です。

Lentという概念はもちろん西方教会、つまりカトリック教会やプロテスタント教会にもありますが、正教会は「動物性食品の断食」や「大斎期間だけの祈祷」など、古くからのキリスト教の伝統的な習慣を守り続けていることに特徴があります。

 

聖堂内の装飾を金色や白などの明るい色から黒などの暗色に交換して、教会に来た人に今が大斎期間だとビジュアルで示すことも伝統的に行われています。

人吉ハリストス正教会でも、3月17日(日)の聖体礼儀が終わってから、聖堂の内装カバーを金色から黒に交換しました。

聖堂の内装を金色から黒に交換

大斎期間は約7週間とはいえ、最初の1週間の「大斎初週」(First Week of Great Lent)と復活祭直前の最後の1週間「受難週間」(Passion Week)が特に重視されており、連日特別な祈祷を執り行います。

人吉教会でも今週、18日(月)から22日(金)まで毎朝夕、その特別な祈祷の「大斎初週祈祷」を行っています。

大斎初週祈祷より「エフレムの祝文」

大斎初週祈祷・晩堂大課の「アンドレイのカノンの読み」

また大斎期間中の水曜日と金曜日だけに行われる「先備聖体礼儀」という特別な祈祷もあります。

20日(水)に行われた先備聖体礼儀

さて、九州に着任して5回目の大斎を迎えましたが、近いうちに福岡の新教会に転居・常駐するため、今住んでいる人吉で大斎初週祈祷を行うのはこれで最後です。

どこの教会に行ってもやるべき祈りは同じですし、また私自身が人吉教会の管轄を外れたわけではなく、転居後も日曜日の巡回で来ることになるので、実のところ特別な感慨は大してないのですが…

 

人吉教会の境内地は約600㎡と広大で、全く手入れをしていないのですが、春になると次々と自然に花が咲きだします。

いろいろな花が自然に咲きだした人吉教会の境内

「斎(断食)するときには、あなたがたは偽善者のように沈んだ顔つきをしてはならない」(マタイ6:16)とイエスは言っていますが、まさに春爛漫の明るい日の光のもとで、人吉で最後の大斎初週祈祷を連日行っています。