九州の正教会

日本ハリストス正教会のグレゴリー神父です。2019年から九州全域を担当しています。

福岡に巡回 ゲスト来訪で充実の一日

先週末の大斎第三主日は福岡巡回日でした。
この日は大斎期間の折り返し地点であり、私たちの罪の贖いのためにイエスがかけられた十字架を記憶します。このため「十字架叩拝の主日」と呼ばれます。

十字架叩拝の主日では、聖堂の中央に花で飾り付けた十字架を安置し、各人がそれに伏拝(ひれ伏して讃美すること)を行うことになっています。

さらに4月7日(ユリウス暦の3月25日)は受胎告知を記念する生神女福音祭でもありますので、祈祷としては十字架とマリヤの両方を讃美する内容となります。

 

土曜日の午後、夫婦で福岡の九州北ハリストス正教会の設営をしました。

大斎用の黒い布は福岡には常備されていないので、人吉教会から持参して宝座(祭壇)などに掛けました。

礼拝所を大斎仕様に衣替え

十字架を置く台のフラワーアレンジメントは妻が制作しました。

花で飾り付けた十字架

 

さて、この週末は京都ハリストス正教会のソロモン輔祭が来訪し、土曜日の晩祷と日曜日の聖体礼儀に陪祷してくれました。

ソロモン輔祭は神学校に入学する前、旅行で人吉と鹿児島に行き、教会にも参祷したことはあったそうですが、福岡に来るのは初めてだと言っていました。

 

私の前任地には長輔祭(故人)がいましたが、高齢と体調不良のため、私が着任して3年で引退してしまいました。

以来10年以上、自分の管轄教会内ではワンオペで司祷してきましたので、輔祭がいることでかえって手順が分からなくなってしまいました…

もちろん祈祷としては、司祭一人よりも複数の聖職者で司祷した方が、よどみなく進むので良いに決まっています。

ソロモン輔祭の陪祷で、大変充実した聖体礼儀となりました。

小聖入(福音書を掲げた行列)

ソロモン輔祭による説教

大聖入(パンと葡萄酒を掲げた行列)

聖体礼儀の最後に、福岡新教会開設のお祝いとして、京都教会から西陣織の生神女マリヤのイコンが贈呈されました。特注品の貴重なものです。

西陣織の生神女マリヤのイコンの贈呈

ついで、と言ってはいけませんが、翌日の4月8日から福岡県内の学校では新学期が始まります。

この日は小学生と大学生がそれぞれ3人ずつ参祷しましたので、最後に彼らの進級を祝して、正教会の祝賀の祈り「幾とせも」を献じました。

 

正午からは1階の談話室で約1時間、ソロモン輔祭に信徒のための「学びの会」を開催してもらいました。

「学びの会」でソロモン輔祭による講話

いつも私ばかりが講話しても聴く側にはマンネリになってしまうので、ソロモン輔祭に話してもらったことで、信徒には良い機会となったでしょう。

 

このように先週末は、福岡にゲストの聖職者をお迎えして、教会としても大変充実した一日となりました。