先週は史上最強クラスの台風10号が九州に居座り続けて大変でした。
福岡に最接近したのは29日(木)でしたが、教会の礼拝室の窓ガラスが割れたらとんでもないことになるので、前日に養生テープを張り巡らしました。
実際は、福岡では大雨だったものの風は大したことはなく、良い意味で杞憂に終わりました。しかし、週末に巡回を予定していた鹿児島は福岡と異なり、まる一日以上も暴風圏にあったため、聖堂が被災していないか、心配でした。
ところが実際に鹿児島に来てみると、少なくとも市内は大きな被害はなく、聖堂も全く変化がなかったので、安心しました。
鹿児島ハリストス正教会では生神女就寝祭の聖体礼儀を執り行いました。
生神女就寝祭(祭日は8月28日)は、イエスの母マリヤがこの世でのご生涯を終えたことを記念する祭です。ローマ・カトリック教会の聖母被昇天祭に相当します。
復活祭に次ぐ「十二大祭」の一つであり、正教会では主の降誕祭(クリスマス)と同格の大変重要な祭日と位置付けられています。
この日は鹿児島市の隣の姶良市で高校の英語教師をしている米国出身のエフゲニヤさん(仮名)が初めて参祷。
彼女からは、年末に米国から同じ正教徒のフィアンセが来日し、今後も鹿児島で生活するのだが、婚配式(正教会の結婚式)を執り行ってもらえないだろうかとメールで相談を受けていました。
こちらとしては、もちろん婚配式を司式させてもらうのはやぶさかではないが、その前にまずはエフゲニヤさん自身が信徒として鹿児島教会に通ってみないかと言っていたところ、この日初めて参祷しました。
彼女も鹿児島教会を大変気に入り、毎月通いたいと言っていたのでこちらも嬉しく思いました。
婚配式の日取りも仮決めしましたが、私自身は婚配式を鹿児島教会で執り行うのは初めてなので、今からワクワクしています。
この日はいつもイコンの額装「クロスターアルバイテン」を制作してくれている工芸家のKさんも参祷し、依頼していた作品を届けてくれました。
早速、聖水で成聖しました。
教会を出てから姶良市へ。
鹿児島市内の老人ホームに入居していたペトルさんとフェウロニヤさん夫婦(仮名。日本人)が、ホームの閉鎖に伴って姶良市内の別の施設に転居したので、訪問することにしたのです。
ご夫婦の居室には娘のクセニヤさん(仮名)がイコンを飾り付けて、「お祈りスペース」が作られていました。
そこで用意してきた聖水で家屋成聖(新居の祝福)を執り行い、ご夫婦に神の恵みが「幾とせも」(正教会の祝賀の文言)あるように祈りました。
このように、鹿児島教会では台風から守られただけでなく、いろいろな慶事にも関わることができて良い一日でした。
台風一過の晴天に桜島の景色が映えて、これからも良いことがありそうな気持ちになりました。