昨日は熊本ハリストス正教会に巡回。復活大祭の聖体礼儀を執り行いました。
今年の復活大祭の祭日は4月24日で、それ以後は毎週日曜日ごとにテーマがあって「○○の主日」という名称もついており、聖書の朗読箇所も当然違うのですが、私は一人で4教会を兼務しているので、毎週違う場所で同じ復活大祭の祈祷をしています。
熊本教会は所属信徒が3世帯に減ってしまい、しかも全員80代と90代ですので、正直なところ教会の維持には厳しいものがあるのですが、彼らは月に一度の巡回を楽しみにして教会に通われているので、私としてもしっかり牧会させてもらっています。
この復活大祭でも、二人の高齢信徒がそれぞれご自分で染めたイースターエッグを持参しました。
祈祷を終えて、午後は宇土市内で廻家祈祷。現在97歳で、私の管轄の最高齢信徒として以前紹介した方です。
今でも杖などつかず、数か月まで一人で歩いて買い物に行くなどしていましたが、このところは危ないからと家族に外出を止められているそうです。生活に刺激が少なくなったせいか、数分前に言ったことをまた繰り返すなど、高齢者特有の言動が目立ってきましたが、97歳なのに介護不要なのですから奇蹟的ですらあります。
正教会で生者のことを祈る決まり文句は「幾とせも」(Many Years!)ですが、文字通り幾とせも元気でいてほしいと思います。
夕方に人吉に着いてからは、熊本で成聖したイースターエッグやクリーチ(復活祭用の菓子パン)をお土産に、市内在住で普段教会に来ていない高齢信徒宅を3軒訪問しました。
本人が在宅だった家では、もちろん会って話をしましたが、一人暮らしなのに留守の家があったので、お土産に妻が訪問時刻を付記したメモを付けて、玄関先に置いてきました。
今日、その家に妻が立ち寄ってみたところ、お土産がそのまま外に置いてあるのを発見。電話をかけても出ないので、室内で倒れているなどの可能性を考え、親戚の家に電話をして安否確認しました。
すると、つい最近、転んで骨折して入院中ということが判明。コロナの影響で面会はできないとのことですが、生命に別条がなかったことを確認できて安心しました。
何だか夫婦で民生委員をやっているみたいですが、神父の仕事とは聖堂で祈祷したり説教したりするだけで済む話ではありません。むしろ牧会、つまり信者の人生そのものをケアすることが重要です。つまり聖堂の外にこそ、やるべきことがたくさんあるのです。
日本正教会は九州だけでなく、東京も含めて全国的に高齢信徒の比率が極めて高いのですが、今後もたゆまず牧会に励んで行きたいと思っています。