先週の金曜日、6月14日から二泊三日で大阪ハリストス正教会に出張していました。
西日本教区会議(教区の年次総会)に出席するためです。

教区としては昨年10月、日本正教会の首座(代表)に着座したセラフィム府主教が初めて出席する会議となります。
というのも、セラフィム座下は2000年に仙台の主教(後に大主教)として叙聖され、さらにダニイル前府主教の晩年は東京の副主教も兼務して、東京教区の司牧にも当たって来られましたが、個別の教区としての西日本教区については首座に着座するまで管轄外だったからです。
そのようなわけで、金曜日の司祭会議や土曜日の教区理事会など、本来主教は出席しないミーティングにも参加して、積極的に意見交換に加わってくださいました。
土曜日午後の理事会終了後は府主教自ら、聖堂での徹夜祷を司祷されました。


さらに徹夜等の後は会館で、大阪教会の青年会のメンバーたちと意見交換会。
府主教はかつて写真家として、撮影のために訪ねた曲田聖堂(秋田県)で正教会に初めて触れ、それから受洗、さらに聖職への道に進んだ自身の経験談を熱く語られました。

翌朝、日曜日の9時から聖体礼儀。
この日は聖体礼儀の中で、京都教会のソロモン輔祭(仮名)が府主教の按手で司祭に叙聖されるというビッグイベントがありました。




ソロモン新司祭は私の長女と同年の30歳。若年ということもあってか、神学校卒業後も伝教者として長く補佐的な職務に当たってきましたが、ようやく名実ともに私と同じ立場の「同僚」に任じられて本当に嬉しく思います。
そもそも西日本教区は、日本列島の西半分をわずか6人の司祭でカバーしているのであり、彼が7人目の司祭として一緒に働いてくれるのは頼もしい限りです。
さらに聖体礼儀の最後に、これまで教会に多大な貢献をした信徒に感謝を伝えたいという府主教の意向により、選ばれた8人が「教区信徒功労者」として表彰。
わが九州管区では、福岡新教会のセルギイ執事長(仮名)が表彰されました。セルギイ兄は2010年の旧福岡伝道所発足から一貫して執事長を務め、プレハブ小屋の伝道所を14年間守ってきました。それが今回の新教会誕生に繋がったのです。

セルギイ兄は私の母と同年の89歳ですが、杖もつかず背筋も真っすぐで実に元気です。「これまで苦労してきたが、表彰してくれて一生の思い出になった。自分が生きているうちに新聖堂の完成を見届けたい」と語っていました。
13時半から本会議。
教区の総会ですから、前年度の業務報告や決算報告、新年度の業務計画や予算案の審議が中心です。なぜか毎年、私が司会者に指名されていますが、前の会社時代も会議の司会ばかりやらされていたので全く苦になりません(笑)。
今回はさらに特別議案として、福岡新教会の設立経緯と今後の見通しについて、私自身がプレゼンしました。
府主教からは「九州で教会を新たに立ち上げて、開拓伝道して行こうという取り組みは実に素晴らしい。しかし十数軒しか信徒のいない今の福岡の教勢で、これから聖堂まで新しく建ててそれを維持していけるとも思えない。これはグレゴリー神父ひとりだけではなく、西日本教区全体で実現に向けて取り組むべき問題だし、さらに教団としても惜しみなく支援の手を差し伸べたい」という趣旨の、実にありがたいコメントをいただきました。
これを受けて、教区内に福岡新聖堂建設資金のファンドを作り、そのための募金集めも教区事務局が主体となって、全国に呼び掛けてくれることになりました。
またこれは私の発案ですが、教会開設から1周年となる来年の2月に、教区内の信徒有志に福岡に来てもらい、信徒の懇親パーティーと新教会の見学会を開催することになりました。教区の信徒は大部分が関西と名古屋周辺の在住者で、福岡まではかなり距離がありますが、会議の代議員たちから続々と「自分も参加したい」「新聖堂の建立に協力したい」という声が上がって嬉しい限りです。
とにかく、福岡に立ち上げた新教会への期待の声が自分の予想をはるかに上回っていて、大変心強く、また今後のやりがいを実感できた出張となりました。
府主教は聖体礼儀の執行に必要な聖器物一式の新品を東京からわざわざ持参し、「どうせ今の福岡は金がなくて買えないだろうから、これを持って帰って使いなさい」とプレゼントしてくれました。購入すれば数十万円かかるものです。
「教団として惜しみなく支援の手を差し伸べたい」というご自身の言葉を、口約束ではなく本当に実行されたのです。

これだけ周囲から期待され、また現実に応援してもらっているので、これは何が何でも福岡新教会を成功させなければと、一層やる気を掻き立てられています。