宮崎市の有志の方たちが、ウクライナで戦禍に苦しむ人々への励ましのために、「Playing for Ukraine」というサイトで音楽演奏の動画を配信していることは既にご紹介しています。
Playing for Ukraineのリンク https://sites.google.com/view/playingforukraine/home
私も楽曲演奏の提供を頼まれていて延び延びになっていたのですが、ようやく動画を収録して提供させていただきました。
私は司祭ですので、教会と無関係な音楽より正教会の聖歌、それもウクライナの方たちが(さらにロシアの方たちも)聴いてすぐに分かる聖歌を選ぶべきだと思いました。そこでロシアとウクライナの正教徒なら誰でも知っている復活祭の聖歌「パスハのトロパリ」を歌いました。
ウクライナ国旗の色のものを、見て分かるように身に着けてくれとの話でしたので、金色のエピタラヒリと青のフェロン(ともに祭服のアイテムの名称)を重ね着しました。祈祷の時に色違いのアイテムを着ることはおかしいのですが、ウクライナの人々にメッセージ性が伝わることが最優先だと思ったのでそうしました。
歌自体は短くて間が持たない(?)ので、ロシア語でスピーチを加えました。私はウクライナ語ができないし、ロシア語で話せばウクライナ人もロシア人も、私が伝えたいことが理解できると思ったからです。もっともロシア語も片言しかできないので、難しい話は無理だし、しかもつっかえながら話していますが…
話している内容は以下のとおりです。
親愛なるウクライナの兄弟姉妹の皆さん、ハリストス復活!
私は日本の九州の正教会司祭、グリゴリイ神父です。
私たち、多くの日本正教会信徒は、私たちの主キリストにウクライナの平和を祈っています。
主よ、ウクライナの民を救ってください。
私は神が皆さんとともに、今もいつも世々にいてくださることを信じています。アーメン。
日本正教会は一部の人々から、あたかもロシアの下僕であり、ウクライナ侵攻を支持しているかのような酷い誤解、というより誹謗中傷を受けています。さらにそれ以前に日本に正教会があって日本人の神父がいること自体があまり認識されていないようです。
しかし日本の、それも九州の外れの田舎にも正教会があって神父もいて、戦禍に苦しむウクライナの兄弟姉妹のために祈っている、つまり「キリスト者として当たり前」のことをしていると伝わるなら嬉しく思います。
この祈りが神に聞き入れられますように。