九州は先週まで大雨が断続的に降り続いていましたが、週が明けると、つまり7月になったとたんに連日の猛暑日と熱帯夜が続いています。
以前住んでいた人吉は山地で緑が多いせいか、熱帯夜は年間で数日しかなく、夜は窓を開けて寝ると快適そのものだったのですが、福岡は深夜になっても気温が下がらず、いかにも「都会の夏」という感じがします。
さて、先日まで決算関係の事務で忙殺されていると書きましたが、それが一段落して今週は「非課税認証」を巡る交渉に忙殺されています。
ご存じのとおり、宗教法人はその公共的な性格から、法人税をはじめ全ての課税を免除されています。もちろん本業とは別に、収益事業(一番多いパターンは貸駐車場)を営んでいれば法人税、職員が受け取る給与には所得税がかかりますが。
宗教施設を建てるために土地建物を購入した時の不動産取得税や、その土地建物にかかる固定資産税も非課税です。
ただしそれは、その土地建物の所在地の都道府県庁が、実際に宗教活動の実態がある「宗教施設」だと認証することで初めて可能になります。
福岡新教会についていえば、土地建物を購入したのは昨年10月でしたが、当然ながら購入してすぐには教会をオープンできませんでした。また聖職者である私も先月までそこに住んでいなかったので、実態としては空き家状態だったため、固定資産税を払い続けています。
さらに先月末、福岡県税事務所から、今月中に福岡県の非課税認証を受けられなければ未徴収の不動産取得税を徴収するとの通知が来ました。
逆に今月中に非課税認証を取得できれば、不動産取得税だけでなく今後の固定資産税も払わなくて済みます。
そこでいよいよ、今週から交渉を開始したわけです。
県のサイトを見て、不動産売買契約書や土地建物の図面、法人規則(会社の定款に相当)のコピーなどを用意。
そして7月2日に法務局で土地建物の登記簿謄本を取り、その足で県庁を直接訪問して担当者に面会を求め、申請書類を提出しました。
しかし、自信をもって用意したつもりの書類でしたが、ダメ出しされて撃沈。
一番の問題点は「写真の不足」でした。
私としては、宗教活動の実態を示そうと、一番参祷者が多かった復活祭のスナップ写真をたくさん用意して、「ほら、こんなに信者が教会に沢山来て賑わってますよ」とアピールしたのですが、礼拝中の写真の提出は必須とはいえ、あまり重要ではなかったようです。
むしろ、建物の内外の実態が図面と合っているかどうかの検証の方が大事なようで、そのため敷地や各部屋のコーナーごとに図面上に番号をふり、それらの位置から写真を撮って目録にしろと指示されました。
個人的には礼拝室や集会室はともかく、廊下や台所の写真が宗教施設の認証になぜ必要なのかなと思うのですが、文句を言っても認証されなければ本末転倒です。
それで翌日、建物内外の写真を20枚撮り、一日がかりで資料を作りました。
なんだか、住宅販売物件の広告を作っている不動産会社の営業マンになったような気分です。
別の資料では所属信徒数の市町村別の内訳の一覧表を記載しなくてはならず、わが教会は九州北部に信徒が点在しているので作るのが大変でした。
さらに、代表役員(会社でいう代表取締役)である私だけでなく、3人以上の信徒の署名が必要な書類も要求されました。
さすがに信徒が毎日教会に来ているわけではないので、これはフォームだけ作っておいて、明後日の聖体礼儀の参祷者に署名してもらいます。
こうして書類づくりに鬱々としていたら昨日、京都教会から荷物が届きました。
先月の大阪出張の折、セラフィム府主教から高価な聖器物のセットをプレゼントされたことは既に書きました。
実は聖器物のうち、ディスコス(キリストの体となるパンを載せる金属製の皿)が壊れていて足が外れており、使い物にならなかったのですが、京都教会のパウェル神父(仮名)が、教会の聖器物の修理を頼んでいる京都市内の仏具職人に見てもらうと言ってくれたのです。
それでディスコスを預けたら、綺麗に修理されて送られてきました。
さすが京都の仏具屋さんはいい腕前だなと感心しました。こちらはキリスト教ですが。
費用を支払おうとパウェル神父に連絡したら、なんとその職人さんは私たちが福岡で新教会を立ち上げて頑張っていると聞いて意気に感じ、修理費は要らないと言っているそうなのです。
私にとっては全く見ず知らずの方なのに、そういった方々の善意に支えられて本当に幸せだなと思いました。
明後日は大阪出張後、初めての福岡での聖体礼儀となりますので、この聖器物も無事お披露目できます。
さらに夕方になって、横浜在住の次男のお嫁さんが、男の子を無事出産したとの連絡が来ました。
私たち夫婦にとって初孫です!
妻の誕生日は7月6日ですが、この日は土曜日で教会の方が忙しいため、二日前の昨日夜に誕生日祝いをすることにして、近所のイタリア料理店を予約していました。
しかし、図らずもその日に初孫が生まれたので、そちらの方に祝杯を上げました。
ちなみにベビーと直接関係ないですが、お嫁さんの誕生日は私と同じです。
県庁から要求された資料を作り続けてヘトヘトになった一週間でしたが、ディスコスのプレゼントと初孫誕生の知らせで気分一新です!
7月13日と14日は東京で全国公会が開かれるので、もともと私たち夫婦も東京に行く予定です。
公会の後、孫と初対面するのを今から楽しみにしています。