九州の正教会

日本ハリストス正教会のグレゴリー神父です。熊本県人吉市から情報発信しています。

明日から信徒総会ラッシュ

私が管轄している九州の4つの教会のうち、3教会は宗教法人、福岡伝道所のみが非法人(つまり正式に教会を名乗る以前の位置づけ)です。

宗教「法人」ですから、一般の企業などと同様、年に一回総会を開いて決算を承認し、財務諸表と役員名簿を監督官庁(通常はその法人の所在地の都道府県庁)に届けなくてはなりません。届け出の期限は会計年度末日から4か月以内と定められています。

総会といっても会社ではないので株主総会ではなく信徒総会です。

日本正教会の場合、包括宗教法人である教団が5月決算であるため、各地の宗教法人格を持つ教会もそれに合わせて5月決算にしているところがほとんどです。

すると届け出の期日が9月末日ということになるため、そこから逆算して7月の終わりから8月にかけてが信徒総会のラッシュ時期となります。

 

私の管轄教会でいうと、明日は福岡、その翌週は熊本、さらにその翌週は鹿児島の各教会の信徒総会を予定しています。(人吉教会のみ決算月が12月のため、信徒総会の時期が異なる)

そのようなわけで、今週はずっと信徒総会関係の資料作りでひたすらデスクワークでした。

信徒総会のレジュメ作成

 

教会の決算などの財務諸表のフォームは、特に法令で定められてはいないので、各教会ごとにまちまちです。

しかし教団が2022年度決算、つまり今回の決算から、全国の教会が教団指定の勘定科目で会計処理を行うように決めました。要するに全国統一のフォームで財務諸表を作成せよということです。

各教会の会計奉仕者は、何十年もその教会の独自のフォームで事務処理していますので、急に新しいスタイルに変えろといってもついて行けない人が多いようです。熊本と人吉の両教会でも会計奉仕者が降りてしまったので、私たち夫婦で会計事務をしています。まるで教会ではなく個人商店みたいです。

福岡と鹿児島については、奉仕者に従来のフォームのままで決算を集計して提出してもらい、私が新フォームで清書することにしました。

私自身の前職は金融関係だったので、会計事務は全く苦ではありませんが、それでも仕事が増えるのは勘弁してほしいというのが正直な気持ちです…

しかし、やるべきことはやらなければならないので、各教会の決算を集計し、財務諸表を作りました。

決算書類の作成

 

今回は福岡の新教会「九州北ハリストス正教会」の設立という、特別なミッションがあります。

宗教法人は一般企業の定款に相当する「宗教法人規則」を作成し、都道府県庁の認可をもらわなければなりません。

今回は既存の宗教法人である熊本ハリストス正教会を「九州北ハリストス正教会」に改称し、福岡に司祭館の用地を入手した後に、主たる事務所(企業の本社に相当)の所在地を新住所に移転する手続きを考えています(もちろん既存の熊本教会はそのまま存続)。よってまずは名称変更のための宗教法人規則の改定手続きが必要なので、その原案も作成しました。

宗教法人規則改定案の作成

また、先々週に福岡に行って下見してきた新教会候補地の物件の報告書も作成。西日本教区の事務局には既に送ってありますが、福岡と熊本の信徒総会で物件購入の承認を取りつけなければ(つまり信徒たちの側が賛同しているという証しがなければ)絵に描いた餅ですので、総会の資料に入れました。

新教会候補地の報告書を作成

 

今日、宗務局長(教区の事務局長)から電話があり、関西在勤の教区幹部らで福岡に出張し、物件を下見したいので不動産業者とアポを取ってもらいたいと言ってきました。

私の報告書の内容が間違いないことを教区幹部が実際に見て確認したということで、宗務局長から教団執行部に稟議を上げ、来月初旬の宗務総局会議(企業の執行役員会に相当)で教団からの購入資金提供を折衝する、という流れです。

もちろん、早速業者に連絡してアポを取りました。予定の日時に私も人吉から福岡まで車で行って、幹部らを物件まで送迎します。

 

そんなこんなで、今週は税理士と行政書士と銀行の営業マンみたいな仕事ばかりで、とても神父とは呼べないような一週間でした。

台風の九州接近が何とも悩ましいですが、まずは明日の朝6時半に人吉を出て、福岡の信徒総会をしっかりやってきます。