九州の正教会

日本ハリストス正教会のグレゴリー神父です。2019年から九州全域を担当しています。

これから信徒総会ラッシュ 準備の一週間 

先週は五島列島の旅を満喫しましたが、明後日の福岡を皮切りに、14日は熊本、28日は鹿児島の各教会の信徒総会が目白押しとなっています。
宗教法人法では、宗教法人は会計年度末から4か月以内に決算書や役員名簿などの書類を監督官庁、すなわち当該宗教法人がある都道府県庁に提出しなくてはなりません。概ねどこの地方教会も、決算年度は教団に合わせて5月末締めなので、そこから考えると7月後半から8月には信徒総会を開催し、前年度決算と新年度予算案の承認を取りつけて官庁への提出書類を作る必要があるわけです。

 

決算書類は事業収入のある鹿児島教会では、法人税の計算のために税理士に作成を依頼していますし、熊本教会のように信徒数が極端に少なくてお金の動きがあまりない教会では、会計を担当してもらっている信徒に手書きの集計メモをもらって、私が帳票を作成するなどしています。要するに教会によって事務のスタイルは様々ですが、法人である以上、法令を遵守した事務取り扱いをしなくてはならないし、その責任は代表役員(会社の代表取締役に相当)である私に帰する、というわけです。

神父というのは、お祈りや聖書の話ばかりしていれば済む仕事ではなく、法人の経営者として事務能力も試されているわけです。私自身は教会より会社での生活の方が長かったので、そっちの方が得意ですが(笑)。

 

そんなわけで、五島から帰ってすぐ、私が編集した教区報の印刷を業者に発注してから、今週は各教会の決算書類や今年度の年間行事計画などの関係資料づくりに忙殺されていました。

 

今回それに加えてまとめたのは、福岡の教会の設立計画書です。

福岡の教会設立計画書

6月の教区会議で、西日本教区として、福岡に司祭常駐で九州を統括する教会を造るという方針が示されました。

福岡は九州の中で経済面でも人口の面でも抜きん出ており、教会単体の成長性でも、また九州を統括する事務局としても、教会を置くのに最適な場所であることは間違いありません。

しかし、現状は2010年に設立された仮設の集会所(それも私有地)があるだけですので、新規に用地を入手して聖堂と司祭館を建てるという作業が必要になってきます。

現在の九州管轄司祭は私ですので、この作業を進めるのも私に命じられたミッションということになります。

 

手元に教団から十分なバジェットを預かっている、あるいは五島のカトリック信徒のように、聖堂建立となれば皆が百万円でも二百万円でも喜んで献金してくれる、ということなら何も苦労はないのですが、もちろんそんな甘い話はありません。今の手元資金はせいぜい400万円くらいです。

そこで自分なりに秘策(?)を考え、また2027年度を教会完成の目標年度として工程プロセスを組みました。

その内容をここで書くことはできませんが、当事者である福岡伝道所の総会で発表し、信徒の理解と支持を求めていくつもりです。

 

もし教団のおひざ元である東京教区に留まっていれば、こういう事務方の苦労を背負い込むこともなかったのですが、還暦近くなって新しい教会を立ち上げるというミッションを与えられたのは、むしろ希望のある「楽しい苦労」かも知れません。

前向きにやっていきたいと思っています。