九州の正教会

日本ハリストス正教会のグレゴリー神父です。熊本県人吉市から情報発信しています。

人吉教会の信徒総会

昨日は人吉ハリストス正教会で「蕩子の主日」の聖体礼儀を行いました。蕩子の主日とは、聖体礼儀の中で福音書から「放蕩息子のたとえ」(ルカ15:11-32)が読まれることにちなむ呼称です。

f:id:frgregory:20220221170609j:plain

聖体礼儀の説教「放蕩息子のたとえが示す意味」


www.youtube.com

 

「放蕩息子のたとえ」はちょっと小説的な美談に書かれており、聖書の中でも有名な箇所ですが、「罪とは、また悔い改めとは何か」「神は人間のことをどう思っているのか」という神学上の基本的な命題について、とても分かりやすく書いてあると私は考えます。

とりあえず、今は教会報の作成、信徒総会の議事録、先日の講演について正教時報(教団の機関誌)に載せる記事の原稿等々、書き物がたまっていますので、この放蕩息子のたとえについては後日改めて書こうと思います。

 

聖体礼儀後は信徒総会を開催しました。

総会とはいえ、私たち夫婦以外の出席者は役員の二人だけでした。

それで総会かという声が聞こえそうですが、そもそも人吉教会の所属信徒の世帯数自体、一けたしかいないので仕方ありません。

また、人吉教会は宗教法人なので法令上の義務があります。つまり年に一回、信徒総会を行い、そこで承認された決算書類と役員名簿を主務官庁(人吉の場合は熊本県庁)に提出する義務です。小さな教会で人が少ないからといって、すっぽかすことはできません。

 

そのようなことで、出席者の実態としては役員会と同じとはいえ、信徒総会として開催して、決算や今年度予算を承認しました。

決算といっても、人吉は小教会なので年間の献金収入は数十万円で、水道光熱費や電話代などの固定費が引き落とされるとほとんど残りません。切手代やコピー機のリース料は、教区からの資金援助を充当して賄っていますが、パンの材料やワイン、ロウソクなど、祈祷に必要な物品の購入は完全に自腹です。

私自身は神に生かされている喜びと、その神に仕えていることへのやり甲斐だけが働く動機ですし、人生のほぼ大部分を首都圏だけで暮らして来た自分には、九州での生活が新鮮でとても楽しいので、全く不満はありません。しかし、働くことは自分が食べていくためだと考える人には神父の仕事は全く向かないし、務まらないのですぐにでも辞めた方が良いと思います。

 

総会は1時間足らずで終わってしまったので、しばらく顔を見ていない信徒宅を回り、14時過ぎに妻と遅い昼食を取りました。

人吉市役所の並びにある日本料理屋で、ランチは懐石風の弁当が数種類あるのですが、どれもゴージャスなのに値段は安く、とても美味しいです。

f:id:frgregory:20220221170726j:plain

信徒総会を終えて妻とランチ

夫婦だけのプチ慰労会みたいなものです。

一人前1600円のランチですが、今日も教会に生きている喜びを噛みしめました。