九州の正教会

日本ハリストス正教会のグレゴリー神父です。2019年から九州全域を担当しています。

新教会用地の引渡し 福岡宣教のさらなる前進

かねてから福岡の新教会立ち上げについて投稿してきましたが、ようやく昨日、福岡県志免町で新教会の司祭館兼仮会堂として購入した物件の引渡しを受けました。

教団から購入資金の提供を受けられなければ手も足も出ないし、優良物件だったので他にも購入希望者がいて、入手できるかどうか綱渡りのような状態で来ましたが、不動産仲介業者の事務所で昨日実際に玄関の鍵を受け取ると、嬉しさがこみ上げてきました。

 

所在地の「福岡県糟屋郡志免町」という地名を聞くと、九州在住でない方の多くは「何で都会の福岡市でなく、わざわざそんな田舎に?」とおっしゃるかもしれませんが、志免町とは福岡市博多区に隣接する自治体で、物件はJR博多駅から地下鉄で二駅。距離も3㎞ほどです。

今の福岡伝道所(福岡市博多区)と最寄り駅は同じですが、駅からの距離は断然近くなります。

 

物件は築17年の中古住宅で、普段はここで私たち夫婦が生活しつつ、月に一回、信徒を集めて聖体礼儀を執り行う計画です。

新教会の司祭館兼仮会堂

前の所有者は裕福な方だったようで、内部の床は全て無垢材のフローリングです。

つまりお金がかかっているわけですが、お陰で内装は教会として使用するのにふさわしい雰囲気があります。

 

祈祷所は2階の13帖の洋室にしようと思っています。

大きいクローゼットが二か所あり、祭服や祈祷関係の書籍類が収納できます。

2階の13帖の洋室

この部屋の真下がLDKで、とても広々としています。

普段は私たちの生活の場として使い、祈祷の時は昼食やミーティングのために使用できます。

1階のLDK

これまでの伝道所の室内は正味8帖ほどで、そこで多い時は20人ほどが集まって祈祷をし、かつ食事やその他の行事も行っていましたので、手狭以外の何ものでもありませんでした。

信徒が進んで来たくなるような教会づくりのためには、会堂を気持ちよく使えることが何よりですので、大きな前進です。

実質的には自宅に人を招いてホームパーティーを開くような感じになるでしょうが、これはこれで楽しいだろうと思っています。

 

しかし、購入の決め手となったのは建物以上に何といっても広い敷地です!

300㎡以上あり、郊外ならともかく博多駅近くの物件では珍しいです。

広い敷地

ここに聖堂を建立するのが、将来の目標です。

それまでは参祷者用の駐車場として使ってもらおうと考えています。

現伝道所は車を停めるスペースがないどころか、そもそも道幅が狭すぎて車を乗り入れられない場所にあるため、私も含めて来場者は別のパーキングに車を停めて、歩いて来なければなりませんでした。

これまた信徒のための大きな前進です。

 

物件の引渡しを受けた後、すぐ志免町役場に行って水道の使用申込みをしました。

町とはいえ、人口は4万6千人もいる大きな自治体だからか(いま住んでいる人吉は市だが人口3万人)、庁舎も大きくて立派です。

志免町役場

夢は膨らみますが、この物件は半年前まで人が住んでいた中古住宅で、それなりに傷みがあり、大規模なリフォームが必要です。

また、宗教法人の改名と所在地の移転について宗教法人規則(会社の定款に相当)を改訂し、行政に申請して認可を取り付けなくてはなりません。

某巨大カルト宗教団体が起こした問題のせいで、宗教法人への行政の審査が厳しくなったと考えており、今回のように「普通の家屋」を購入して宗教施設に転用する事案では、説明を何度も重ねなくてはならないだろうと覚悟しています。(教会関係者はこういう法令や行政規則に疎い人が実に多く、相談しても話にならないことが多いので結局自分で調べなくてはなりません)

そのようなわけで、実際にここに移り住み、司祭常駐教会として活動するには、まだしばらく時間が必要です。

 

そのために今後もこれまでと同様、ほぼ週一回ペースで人吉と福岡を往復することになり、高速代金の負担も月に数万円かかりそうですが、これも新教会誕生の産みの苦しみだと思って前向きに取り組んでいきます。