9月27日から行っていたセルビアから、本日人吉に戻りました。
日本に帰るため、日曜日に乗る飛行機の搭乗手続きのためにベオグラード空港のトルコ航空のチェックインカウンターの前に並んでいたら、いきなり「canceled」(欠航)と言われて面食らいました。
どうやら、イスタンブールからベオグラードに来て折り返すはずの飛行機が、トルコの悪天候の影響で出発できなかったようだということが後で分かりましたが、それこそ後の祭りです。
結局、まるまる24時間後の便に振替えとなり、帰国も一日延びてしまいました。
それは災難ではありましたが、セルビアに行ったのは日本正教会の公務でなかったにもかかわらず、結果的に教会関係で得難い経験ができました。
しかし私自身のことより、もっと大事なことがありましたので、セルビアからの帰国報告は後日にアップします。
それは、私がセルビアに滞在中の9月28日に東京で臨時公会(株式会社の臨時株主総会に相当)が開催され、仙台のセラフィム大主教が正式に日本正教会の首座主教である「東京の大主教および全日本の府主教」に選立されたことです。
今年になってからは故ダニイル府主教の体調の悪化もあり、セラフィム大主教が日本正教会を代表する公務の多くを担っていましたが、それはあくまでも代理であり、9月28日以降は正式に「セラフィム府主教」とお呼びするということです。
同日付で教会法上の上位者であるモスクワ総主教から「セラフィム大主教を全日本の府主教に選立した日本正教会の決定を承認する」との通知が出され、教会法的に正統な「全日本の府主教セラフィム」の誕生となりました。
以前も書いていますが、日本正教会はモスクワ総主教(組織名はロシア正教会)の出先機関だと思っている人が少なくないようです。
しかし、このモスクワ総主教からの通知内容からも明らかなように、自治教会である日本正教会の人事権は日本正教会側にあるのであり、あくまでもモスクワ総主教はそれを承認する立場であって、恣意的に日本の首座主教を任命したり解任したりする権限はありません。
分かりやすい例えとして挙げるならば、わが国の天皇陛下と内閣総理大臣との関係に似ています。
日本国憲法では「天皇は国会の指名に基づいて内閣総理大臣を任命する」と、天皇による首相の任命権を規定していますが、それは国民の最高意思決定機関である国会で選ばれた人物を天皇陛下が承認するということであって、陛下の側が国会の決定を無視して恣意的に誰かを首相に任命したり解任したりすることはできません。
話を元に戻すと、このセラフィム座下の正式な府主教就任にあたり、セレモニーとしての着座式、俗な表現をすれば「お披露目」が10月22日にニコライ堂で執り行われます。これには日本正教会の聖職者全員が招集されていますので、私も東京に出張します。
日本正教会の新時代をお祝いして来ます。