本日、1月7日は降誕祭。
福岡伝道所で聖体礼儀を執り行いました。
九州の各教会の巡回日は日曜日ですが、せっかくの降誕祭なら祭の当日に祈祷したいと思い、福岡巡回は明日の日曜日ではなく今日にしました。
日曜日でないと来られない信徒もいるのですが、それでも普段より多い17人の参祷者があり、八畳間ほどの広さの伝道所がいっぱいになりました。
中学生以下の子どもたちも6人来ました。
結果的に祭の当日に福岡で聖体礼儀をやって良かったと思いました。
なぜなら、戦火を逃れて日本経済大学(太宰府市)に在学しているウクライナ人学生のダリナさん(仮名)が、今日の福岡の降誕祭をネットで調べて知り、参祷したからです。
もともと福岡伝道所には、いま激戦地となっているウクライナ・ドネツク出身のイリナさん(仮名)が通っていると以前紹介しました。
ロシア侵攻後、日本経済大学がウクライナ人の若者たちを救うために、彼らを留学生として受け入れており、イリナさんは日本語とウクライナ語の両方ができる日本では稀有な人材として、その大学で働いています。
「メンター」として、日本語が不自由な学生たちの日常のケアをするためです。
ダリナさんもイリナさんの受け持ちの学生だそうですが、イリナさんが教会に連れて来たのではなく、上記のようにダリナさんが自発的に参祷したいと思い、公共交通機関を乗り継いで来たのです。
ですので、伝道所でばったり遭遇した二人はお互いに驚いていました。
福岡伝道所は仮設の会堂で、大変分かりにくい場所にあり、看板も出ていません。
ネットで住所を検索すれば来られるとはいえ、日本人でさえ道に迷う人が少なくない場所によく来てくれたと思いました。
ちなみに日本経済大学に来ているウクライナ人学生は、イリナさんの受け持ちだけでも68人。ダリナさんの両親はウクライナに留まったままだと言っていましたが、他の学生の大多数も同じ状況のようです。
私のような寂れた田舎の教会の一司祭にできることには限りがあるので、せめてウクライナから九州に逃れてきている人々の役に立ちたいと思ってきましたが、今後はダリナさんだけでなく、他の日本経済大のウクライナ人学生たちのためにも、イリナさんと協力しながら自分ができることを考えたいと思います。
いま、全国的にコロナの感染拡大が大変な状態ですが、中でも九州は特にひどい状況です。
当然ながら、祈祷後のいわゆるクリスマスパーティー的なものは、今回で3年連続中止としました。
しかし、降誕祭の祈祷が終わってハイさよならというのも、信徒の皆さんには味気ないでしょうから、妻が袋詰めしたお菓子などをプレゼントとして配り、さらに用意したシャンメリーで乾杯してお開きにしました。
来年の降誕祭は戦禍も疫病もない、平和と喜びの中で迎えられるようにと心から祈った一日でした。