九州の正教会

日本ハリストス正教会のグレゴリー神父です。2019年から九州全域を担当しています。

熊本で信徒総会

先々週、台風10号が九州を襲いましたが、台風が通過してこれで涼しくなるだろうと思っていたら、再び猛暑が戻ってきました。

隣の太宰府市は今日で猛暑日が51日。過去最高記録は昨年に群馬県桐生市で観測した46日だったので、大幅に更新です。

これまでわが国の猛暑地域は北関東か、岐阜県東部と相場が決まっていましたが、九州福岡が新たな「猛暑の顔」になって当惑するばかりです。

 

さて、そんな猛暑の中、昨日は熊本ハリストス正教会で聖体礼儀後に信徒総会を開催しました。ちなみに熊本市も昨日は35℃超えの猛暑日でした。

熊本教会の信徒総会

宗教法人は年に一回、総代会(日本正教会でいう信徒総会)を開催して決算を承認し、決算書類と最新の役員名簿を事務所に備え付ける法令上の義務があります。

また、それらの書類のコピーをその宗教法人の所轄庁(通常はその法人の所在地の都道府県庁)に提出しなくてはなりません。

 

つまり、どんなに信徒数が少なくて宗教活動が不活発だろうと、法令上定められた義務は果たさなければならないということです。

 

熊本教会は昨年まで、80代以上の信徒3世帯4名のみの小教会でしたが、分教会として福岡新教会を開設し、九州北部在住の信徒が全て所属することになった結果、日本正教会の中では中堅クラスの教会となりました。

しかも自前の司祭館を取得し、そこに司祭が常駐して九州全体の事務局機能も持つことになりました(熊本ではなく福岡にですが)。

その結果、電話とネット回線の使用料やコピー機のリース料など、これまでノータッチだった勘定科目が教会会計に加わりました。

 

熊本教会自体は1879年の開教で、150年近い歴史がありますが、未だかつて常駐司祭は存在せず、このような激変は熊本教会の歴史上初めてのことです。

しかも、以前からの熊本の信徒は上記のように高齢者ばかりですから、環境の変化についていけないこと、あるいは理解自体ができないことが十分に考えられます。

 

そこで、福岡に新教会を造ったことで何がどう変わったか、法令上求められている手続きは何かを丁寧に説明し、それらは管轄司祭である私が心得ているので信頼して任せてほしい旨、丁寧に訴えることに努めました。

弁護士とは言わないまでも、信徒の中に税理士や行政書士の人がいれば、その信徒に相談したり事務をお願いしたりできるのでしょうが、さすがに九州にはそういう有資格者の信徒がいないので、私が法令を勉強して請け負うまでです。

 

そういった説明を一通り行い、新教会設立関連の臨時会計も含めた決算報告と、新しい勘定科目を加えた今年度予算案の承認を経て、総会は無事に終わりました。

 

今朝、決算書類と役員名簿のコピーを今の所轄庁である熊本県庁に発送して、「法令上の義務」をようやく果たしました。

 

これからは、福岡新教会発足から半年間の活動内容報告書を作成し、文化庁に提出する作業に入ります。これは新教会が宗教施設であることの認証を国から得るための手続きの一環です。

 

教会で働く者、とりわけ神父は、聖堂の中で一日中お祈りをしている人のように思われているところがあるのですが、少なくとも今の私について言えば「事務職の傍ら、お祈りもしている」のが実情です。

しかし、それもこれも福岡の新教会を一日も早く軌道に乗せるためですので、頑張っていきたいと思います。