久しぶりの投稿です。
4月30日の午後から4泊5日で福岡に出張。5月4日の夕方にいったん帰宅して、5日は鹿児島に日帰り出張でした。
ゴールデンウィークはほぼ丸々、出かけていたことになります。
5月1日(日)は福岡伝道所で、復活祭の聖体礼儀を行いました。
着任して最初の復活祭は一昨年の春でしたが、その年も昨年も、福岡県は九州の中でもコロナの感染拡大が抜きん出ていて、満足な祈祷が行えませんでした。
その意味では、今年は積極的な参祷を呼びかけることができて良かったです。実際、福岡県内だけでなく、大分県や長崎県の信徒も参祷しました。さすがに祈祷後のパーティーは自粛しましたが。
参祷者16人中、中学生以下の子どもは5人いましたので、祈祷後にエッグハントをしました。
高齢などの理由で、教会での復活祭の祈祷に参祷できない信徒のためには、司祭が家庭を訪問して祈りを献じる習慣があります。これを「復活祭後の廻家祈祷」といいます。
人吉から福岡はかなり遠く、何度も往復できないので、泊りがけで県内を回って廻家祈祷を行いました。
下の写真の高齢信徒のお宅は、娘さんが(といっても私と同年代ですが)プロのチェンバロ奏者で、祈祷後に一曲披露してくださいました。プロのピアニストでなくても、家にグランドピアノがあるお宅は珍しくありませんが、さすがにチェンバロがあるお宅に伺ったのは初めてです。
廻家祈祷は単なる神父のビジネスではなく、訪問先でこれまで知らなかった情報を聞けたり、いろいろな出会いや経験ができるのであり、さらに空き時間に観光もできるので、それが自分にとって励みになっています。
5月5日は鹿児島で、「ウクライナを知るためのお話会」の講演をしました。ウクライナ避難民の支援に取り組んでいる「宙の駅」の本田さんの主催です。
会場は繁華街の天文館で、本田さんのご両親が営んでいるカフェです。20人ほどの方たちに聴講していただきました。
講演の前に、鹿児島教会で私から洗礼を受けた米国出身のアーロン兄が、自分のお師匠と二人で三味線の演奏をしてくれました。
さすがに私は政治問題は専門ではないので、9世紀のキエフ=ルーシ建国以降のウクライナ地方の歴史や、正教会とは何かといった話を中心に、ロシアとウクライナの双方の人々に歴史的に形成された「多様なアイデンティティや価値観」について話しました。
つまり今回の戦争は、国家指導者とそれを支持する人々が持っている「ウクライナをロシアの一部と見なす、ある特定の価値観の押し付け」が引き起こしているのであり、よって「ロシア人はみな悪い。だからロシアと名の付くものは排除」「正教会、あるいは宗教そのものが戦争の原因」という短絡的な決めつけは間違っている、ということを伝えるように努力しました。
なるべく分かりやすく簡潔に話すように努めたのですが、いただいたテーマが大きいので1時間半近くかかってしまいました。しかし、皆さん熱心に聞いてくださったので、ありがたい限りです。
次は熊本で5月28日に講演させていただきますが、今度はライブ配信される上、マスメディアも取材するようなので、練り直してもう少し洗練された話にしたいと思っています。