九州の正教会

日本ハリストス正教会のグレゴリー神父です。熊本県人吉市から情報発信しています。

鹿児島つながりの輪

先日の日曜日は鹿児島ハリストス正教会に巡回し、衆聖人の主日(Sunday of All Saints)の聖体礼儀を執り行いました。


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衆聖人の主日とは「全ての聖人の記念日」という意味であり、聖五旬祭の次の日曜日のことです。聖五旬祭はその年の復活祭の日付によって変わる移動祭日ですので、衆聖人の主日も同じく移動祭日となります。

カトリック教会では「諸聖人の日」と呼び、11月1日の固定祭日です。これは中世に移動祭日から固定祭日に変わったものです。

 

この日は普段参祷している人たちが体調不良で来られなかったのですが、代わりに珍しいゲストたちが参祷したので、結果的に参祷者数は久しぶりに二桁になりました。

 

来られた方はまず、大阪在住のIさん。

鹿児島出身の信徒で、大阪では長いこと教会に行っていなかったようですが、何か思うことがあったのか、故郷の鹿児島までフェリーで来て参祷しました。

 

次にギリシャ在住のK子さんとイラン人の夫のハミッド氏。去年の11月以来の再来です。

鹿児島市出身のK子さんはギリシャを拠点に中東難民の支援活動を長くされている方で、ギリシャ正教会の洗礼を受けています。

今回は里帰りで一時帰国し、参祷したものです。

 

K子さんはさらに、知人で鹿児島市在住の画家の方を連れてきました。

宗教画も手掛けており、イコンに関心があるとのこと。

鹿児島教会は市内の中心部にあってアクセスの便が良いので、今後も来られるようです。鹿児島つながりでご縁ができて嬉しいことです。

 

さらに米国在住のナオコさんと長男のルカくん、さらにお母様のマチ子さん(ともに仮名)が参祷。今はルカくんの小学校が夏休みに入ったので、ナオコさんの郷里の鹿児島に帰省中です。

また、マチ子さんにはちょうど2年前に洗礼を授けましたが、当時は闘病中でかなり深刻な容態でした。しかし、洗礼を受けてから奇蹟的に回復し、この日もナオコさんに連れられて参祷することができました。

下の写真は領聖(キリストの体と血をいただくこと)するマチ子さんです。

 

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聖体礼儀 信徒領聖

 

コロナ禍もほぼ解消されたので、鹿児島教会では祈祷後の愛餐会も復活させましたが、鹿児島つながりの人たちばかりが集まったので、4月の復活祭の時以上に盛り上がりました。

祈祷後の愛餐会(昼食会)

ルカくんはアメリカ育ちですが、鹿児島の郷土菓子「いこ餅」を自作して持って来てくれました。食卓の薩摩カラーがさらに深まりました。

ルカくん自作の「いこ餅」

 

さて、ナオコさんのご両親は同じ老人ホームに入居しているのですが、お父様の方は要介護度が高く、教会に連れてくることができませんでした。

そこでナオコさんに「父に会ってほしい」と依頼され、老人ホームの住所を聞いて午後に訪問。廻家祈祷を献じました。

ちなみにお父様も、妻のマチ子さんと同じく、私から病者洗礼を受けています。

ナオコさん(仮名)のお父様に面会

これまではコロナ対策のため、病院や高齢者施設での入所者との面会はほぼ例外なく断られてきたのですが、今はだいぶ緩和されて、この施設では面会が許可されました。

ナオコさん母子は新学期が始まったらアメリカに帰ってしまいますが、施設の住所も分かったことですし、その後も私が継続的に訪問すればご両親も孤独感を覚えなくて済むでしょう。

 

こちらのお宅だけに限らず、私の管轄教会の信徒は参祷できないような高齢者が多いので、コロナでできなかった信徒訪問の頻度を増やしていこうと思っています。

 

ともあれ、この日は鹿児島つながりの輪が広がって楽しい一日でした。