九州の正教会

日本ハリストス正教会のグレゴリー神父です。2019年から九州全域を担当しています。

病者洗礼のご夫婦、奇蹟の回復

今日は鹿児島ハリストス正教会に巡回し、十字架挙栄祭の聖体礼儀を執り行いました。


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十字架挙栄祭とは4世紀に、エルサレムでイエスがつけられた十字架が発見されたことを記念する祭日です。発見者のエレナ皇太后は、歴代ローマ皇帝で初めてキリスト教信仰を容認したコンスタンティヌス帝の生母であり、このため正教会では「亜使徒聖コンスタンチンとエレナ」として二人をペアで記憶します。

 

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十字架挙栄祭の趣旨は、単に十字架の発見という歴史上の出来事の記念にとどまりません。私たちがキリストの十字架上の死の意味を理解するとともに、キリストの受難と復活を通して、この世での死を経た後の復活と天国における永遠の生命が、私たちに示されていることを確信するためにあります。

その証しとして、聖堂の中央に花で装飾した十字架を安置し、参祷者はそれを讃えて伏拝(ひれ伏すこと)を行います。

フラワーアレンジメントは毎回、妻がやっています。

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聖堂の中央に安置した十字架


さて、今日は奇蹟的な出来事がありました。

5月に鹿児島教会で、闘病中の秀男さんとマチ子さん夫妻(ともに仮名)の洗礼を行いました。その時は衰弱して、二人とも全くと言っていいほど歩けない状態でした。

 

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しかし受洗後、お二人はめきめきと回復。病院を退院して、高齢者施設で二人で生活できるまでになりました。

そして今日は、娘の夏子さん(仮名)に連れられて、受洗後初めて鹿児島教会に参祷されたのです。

開式前に到着して、教会には約3時間いました。ご自分で歩いて領聖(パンと葡萄酒が変化したキリストの体と血に与ること)もしました。洗礼からわずか4か月でここまで回復するとは、神が起こした奇蹟としか私には考えられません。

 

夏子さんは2週間後に家族の待つアメリカに帰る予定ですが、ご両親の回復を見届けることができて、彼女だけでなく私も嬉しくなりました。

彼らに神の庇護がいつまでもあるように祈っています。