九州の正教会

日本ハリストス正教会のグレゴリー神父です。2019年から九州全域を担当しています。

人吉での復活大祭 ようやく自粛モードから脱却!

復活大祭の後、山積みになっていた仕事を片付けていて、投稿できないまま4日も経ってしまいました…

 

4月16日は人吉ハリストス正教会復活大祭をお祝いしました。

ちなみに普段は一般の方向けに「復活祭」と書いていますが、正教会ではほぼ世界共通で「パスハ」または「パスカ」と呼びます。パスハとはギリシャ語で「過越祭」の意味で、日本正教会での正式な呼称も「聖大パスハ」です

しかし「パスハ」では一般の方が分からないと思われますので、今回は特定の祭日の名称という意味で、聖大パスハの日本語呼称「復活大祭」で表記しました。

 

人吉教会の信徒はどういうわけか時間の感覚がアバウトで、昨年の復活大祭は開始の午前10時の時点で教会に来ていた人はゼロ(!)だったため、祈祷を始められず困りました。(たまたま今の教会がそうだという意味であって、人吉市民が時間にルーズだと言っているのではありません。念のため)

それで今回も警戒していたのですが、福岡、宮崎、鹿児島の各県からの参祷者が続々と集まり、今年は人吉の信徒も時間に間に合って(笑)、午前10時に開式の十字行を始めることができました。

復活大祭の十字行と門前での開式の祈り


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イースターエッグやクリーチ(正教会の祭日用のパンのロシア語呼称)なども、信徒たちがたくさん持参し、載せるスペースが足りなくなってしまいました。

信徒たちが持参したイースターエッグなど

復活大祭では主の復活という喜ばしい報せ(=福音)が全世界に宣べ伝えられたことを記憶して、福音書の同じ個所(ヨハネ1:1-17)を可能な限り多くの言語で朗読することになっています。

今回は福岡のウクライナ人信徒のイリナさんにスラブ語、鹿児島のルーマニア人信徒のエレナさんにルーマニア語で読んでもらい、私が日本語と英語で読むことで、計四か国語で朗読しました。外国人の多い都会の教会なら朗読奉仕者も確保できますが、人吉のような田舎の教会としては頑張った方だと思います。

四か国語で福音書を朗読

聖体礼儀の終わりにイースターエッグなどを成聖。配布用にわが家で染めた卵を十字架接吻(終了時の祝福)で渡しましたが、多くても15人くらいという予想を上回る参祷者数(23名)だったため、足りなくなってしまいました。嬉しい悲鳴です。

イースターエッグなどの成聖

十字架接吻(閉会時の祝福)

コロナもだいぶ収束しましたので、祈祷後は集会室で会食しました。
着任して最初の復活大祭(2020年)は既にコロナ禍で、「不要不急の外出自粛」が求められていた時期でしたので、会食どころか教会で祈祷を行うこと自体が憚られていました。その頃と比べるともう隔世の感があります。

祈祷後のイースターパーティー

子どもの参祷者も5人ほどいましたので、食後は彼らのためにエッグハンティングをしました。人吉教会の境内は広く、駐車場所以外は草刈りをしていなくて原っぱのようになっているので、隠し場所はたくさんあります。

当たりくじの卵を拾った子には、私が以前セルビアで買った子ども用の十字架をプレゼントしました。

エッグハント

前日までの雨も上がって晴天になり、参祷者も人吉では久々の二桁。着任4年目でようやくコロナの自粛モードからも脱却できて、良い一日でした。