九州の正教会

日本ハリストス正教会のグレゴリー神父です。熊本県人吉市から情報発信しています。

鹿児島と人吉で祈祷 自分の交通事故のことは後回し

一昨日は九州道で事故に遭って大変でしたが、九州には私以外に神父がおらず、誰にも代わってもらえませんので、昨日は朝から予定通り鹿児島ハリストス正教会に行き、聖体礼儀を執り行いました。


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鹿児島教会の敷地にはたくさんの植物が植えられていますが、アジサイと百合が綺麗に咲いていました。まだ5月なのに、やはり鹿児島は南国です。

鹿児島ハリストス正教会アジサイと百合

 

宗教法人としての鹿児島教会は5月決算なので、祈祷後に会計担当の信徒と未収入や未支払いの項目について打合せ。

14時前に鹿児島を発ち、葬儀対応で人吉にトンボ返りしました。

 

木曜日に永眠した相良村の信徒宅に15時半に到着し、納棺の祈祷。

いったん司祭館に戻って葬儀関連の祭服と物品を車に載せ、人吉市内の葬儀場へ。

正教会の葬儀は香炉やロウソク、朗読用の聖書など、必要なグッズ類(?)が多く、聖堂以外の斎場で行う場合はそれらを搬入しなくてはならないので結構大変です。仏式なら葬儀場に備品が一式あるので、お坊さんは体ひとつで行けばOKなのですが。

18時にお通夜に相当するパニヒダを執行。大河ドラマが始まる前には帰宅できました。

 

今日は埋葬式(一般の告別式に相当)のため、再び斎場へ。

故人のご主人の葬儀を2月に執り行った時に紹介しましたが、当地は棺に大量の飲食物を入れるのが習慣です。今回も大きな紙皿に盛り付けた料理とペットボトルのお茶、さらにプラ容器入りの球磨焼酎が入れられました。故人は女性なのですが、当地では冠婚葬祭のいずれでも、飲み物はビールでも日本酒でもなく、球磨焼酎と決まっているので、ごく当たり前の「供え物」という感覚です。

郷に入っては郷に従えと言いますが、私が暮らしてきた首都圏ではどこでも、棺に難燃性のものを入れるのは絶対にNGなので、大変驚かされる習慣です。

また、霊柩車も派手です。首都圏では全く見ることがなくなった宮型霊柩車が普通に用いられていますが、さすがにキリスト教式なので、ご主人の時と同じ白塗りのベンツの霊柩車でした。

白塗りのベンツの霊柩車

地方社会はとにかく葬儀に時間をかけるので、今日も一日がかりでしたが、夕刻に無事に終わって帰宅することができました。

 

そのようなわけで、一昨日の事故で壊れた車の修理も、自分自身の病院での検査も全く手つかずです。相手方の損保会社からは今日の葬儀の開式直前に電話をもらったのですが、当然ながら話している時間がないので、また明日連絡をもらうことになりました。

どうやらむちうち症の可能性はあるものの、大けがではないし、そもそもわが教団の聖職者は労災の対象ではないので、自分としては必要な費用が保険で担保されれば、それで良いのですが。

いずれにせよ、自分自身のことについては明日以降、対応することにします。