一昨日は鹿児島ハリストス正教会に巡回しました。
米国人信徒のアーロン兄が知り合いを連れてきたので、参祷者数も久々に二桁です。
その中に、鹿児島市出身でアテネ在住のマリヤさん(仮名)と、イラン出身のご主人がいました。
マリヤさんはクルド人やシリア人などの中東難民支援の活動に携わってきた方で、アテネには15年前から住んでいるとのこと。かつて福音派のプロテスタント教会に所属していましたが、ギリシャでの生活を通して正教会に心を寄せるようになり、2年半前にギリシャ正教会に改宗しました。
今回はたまたま鹿児島に帰省し、鹿児島にも正教会があるとアーロン兄に聞いて参祷したとのことで、祈祷後に現地の貴重なお話をいろいろ伺いました。
また、マリヤさんのご主人は支援活動の同僚として彼女と知り合ったそうですが、ムスリムの彼も近いうちに正教会で洗礼を受けるとのこと。彼は全く日本語ができないので英語で会話しましたが(ちなみに夫婦の会話はペルシャ語とのこと)、「イランに戻ったら逮捕されるから(イスラム法では、ムスリムがキリスト教の洗礼を受けることは死刑相当の重罪)もう帰ることはできないが、悔いはない」と言っていました。
また、彼はギリシャのパスポートを持っていますが、そこには「人種」の項目があり、「Iranian」と明記されていました。「このせいで、どこに行く時も入国審査でいつも苦労するよ」とのこと。本人は笑っていましたが、人種や宗教を超えた「人道」のために働いている人が、その人種や宗教の違いのために差別されることに、欧米社会の「人の分断」の闇を改めて感じました。
ウクライナ戦争の勃発以降、わが国で中東難民のニュースは全く報じられなくなってしまいました。しかし、それは日本のマスコミが取り上げないだけで、問題は全く解決していません。その意味で、この問題に取り組んでいる日本人に直接お会いできたことに、教会が取り持つご縁を感じました。
午後は地元町内の子ども会の「平之町あいご会」の幹事のお母さん方が来訪。来月のクリスマス会開催に向けて打合せをしました。
鹿児島教会では20年以上前から、あいご会のクリスマスイベントを聖堂で行ってきました。
私が着任した2019年にも開催し、聖堂がたくさんの子どもたちで一杯になったのですが、その後はコロナ禍による学校行事自粛の影響で開催できませんでした。(昨年はプレゼントの配布のみ)
しかし今年は3年ぶりに、ようやく開催できそうです。
もっともこの町内は、小学生だけでも100人以上いるので(人吉市は市全体でも小学生人口は数百人しかいません)、感染対策として密集の防止を図らねばなりません。
そこでイベントは二部制または三部制にして、参加者を入れ替えることにしました。
また私の提案で、イベント前日の12月17日(土)は、希望する子どもたちに聖堂に来てもらい、クリスマスツリーの飾り付けをしてもらいます。イベント実施に制約がある分、少しでも教会に親しむ機会があったらと思っています。
このように従来にない手間はかかるのですが、教会に地域のお役に立てる機会が再び与えられて、来月が楽しみです。