九州の正教会

日本ハリストス正教会のグレゴリー神父です。2019年から九州全域を担当しています。

大水害から2年 復興祈念の竹灯籠

人吉球磨地方に壊滅的な打撃を与え、67人(行方不明含む)もの方たちが犠牲になった令和2年7月豪雨災害から今日で2年です。

 

人吉市では午前10時に、犠牲者への黙祷を呼びかけるサイレンが鳴らされました。

 

人吉市など、自治体による犠牲者追悼の式典は今日ではなく、日曜日の昨日に行われています。

 

水害発生日の今日は、球磨村のラフティング発着場のランドアースに、球磨村復興祈念の竹灯籠を見に行きました。

球磨村では、あの水害で25名の方が亡くなっています。犠牲者数最多の自治体です。

竹灯籠点灯の案内

ちなみに、竹灯籠の制作には、人吉ハリストス正教会も作業場所を提供させていただきました。

 

司祭館から球磨村に向かう道の途中には、仮設住宅が立ち並んでいます。水害から2年経っても、自宅を失って仮設住宅に住んでいる人々はまだ2千人以上もいます。

 

19時の点灯時刻に合わせてランドアースに到着。

ランドアースの入口に飾られた竹のオブジェ

ちょうど台風4号が九州に接近中で、かなり雨が降っていたのですが、ボランティアの皆さんが灯籠に点灯していました。

雨の中、竹灯籠に点灯するボランティアの人々

九州の日の入り時刻は遅く、19時ではまだ明るかったので、眺めとしては今ひとつでしたが、周りに明かりがない場所なので、夜遅くなれば綺麗だろうと思います。

点灯された竹灯籠

敷地内にはキッチンカーも出て、納涼気分が味わえたはずなのですが、皮肉なことに災害発生の日と同じく雨降りで何とも残念…

会場に出店していたキッチンカー

会場のランドアースはJR肥薩線渡駅の前ですが、この渡地区は最も被害が大きかった地域です。

肥薩線は不通のままで、駅のホームも線路も荒れ果てています。

肥薩線渡駅。線路が見えないくらい雑草が生い茂っている。

球磨川の様子を見てみようと、土手を上りました。

土手に上る階段にも竹灯籠

今日はまだ雨がひどくないためか、流れはゆったりしていました。

2年前の今日、この川が溢れて、周囲の家々の2階の屋根まで水没したのが信じられない思いです。

ランドアースから見た球磨川の眺め

台風は明日、九州北部に上陸する見込みで、人吉球磨地方も大雨が予想されています。

もう二度とあの悲劇が繰り返されないように、そして人吉球磨が一日も早く復興できるよう祈りながら、球磨村を後にしました。