九州の正教会

日本ハリストス正教会のグレゴリー神父です。2019年から九州全域を担当しています。

猛暑の鹿児島に巡回

今日、私が住む熊本県が梅雨明けしました。

先週はずっと猛暑が続いていたので、梅雨はどこに行ったのかと思っていましたが、まさか梅雨明けとは。まだ6月なのに。

梅雨入りは6月11日でしたので、梅雨の期間は2週間ほどしかなかったことになります。

もちろん梅雨明けは観測史上最速、梅雨の期間も史上最短です。

熊本県は水資源が豊かなので(むしろ大雨による水害の方が脅威)、あまり水不足の心配はしていませんが、これまで住んでいた首都圏などはとんでもないことになりそうです。旱魃といっても良いレベルではないでしょうか。

 

さて、一昨日は鹿児島ハリストス正教会に巡回していました。


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コロナの感染状況は寒くても暑くても変わらないようで、特に鹿児島県や熊本県は全国でも新規感染者が多い地域になっています。

そのため、聖体礼儀の時も冷房を入れずに窓を開放しているのですが、司祭の祭服はかなり厚着なので本当に厳しいものがあります。

この日は特に暑くて…来月以降も心配です。

 

さて、祈祷後に来客がありました。プロテスタント教会の穂森牧師と、曹洞宗直指庵の鎌田住職です。

先月、私が熊本で行ったウクライナについての講演をオンライン視聴してくださり、私に会いたいとのことで訪ねて見えたのです。

お二人は今回のウクライナ戦争の開戦後、鹿児島市内で諸宗教合同の祈りの集いを定期的に続けています。

 

どんな宗教でも、それがまともな教えならば、戦争に反対し平和と人間愛を希求するのは当然のことです。よって、その共通項において宗教者たちが教義の違いを超えて、それぞれのスタイルで祈りを共にしようという理念は、私も大いに共感するところです。

そこで私も可能な限り参画することにし、まずは9月、鹿児島市内のキリスト教の超教派の定例勉強会に出席し、正教会の考えについてお話しさせていただくことになりました。

 

「祈りなんかしても戦争は止められない。所詮は宗教者の自己満足であり、無益なことだ」という人は少なくありません。この鹿児島での諸宗教者の取り組みに対しても、そのようなネット上のコメントを見ました。

しかし、その人は信仰という心の問題を無視して「地上のロジック」だけで物を言っているのであり、戦争を「聖戦」として美化・正当化するために、宗教を地上的な民族主義国家主義に紐づけようとしている侵略者たちと結局は一緒です。

信仰は自由ですから、自分が神を信じないのも自由ですが、神を信じて祈る人をけなすのは、はっきり言って余計なお世話です。

私は宗教者としての矜持を失わず、また日本正教会の「内輪の世界」に引きこもることもせずに、平和の実現のために沢山の方たちと祈りを共にしていこうと思っています。

 

午後、教会を後にして指宿までドライブしました。

夏空の下、池田湖越しに開聞岳の姿が美しく見えました。

池田湖の向こうに見える開聞岳

この空のように晴れ渡り、湖水のように澄み、山のように動じない心が与えられますように、神に祈りました。