九州の正教会

日本ハリストス正教会のグレゴリー神父です。熊本県人吉市から情報発信しています。

福岡出張から帰りました

昨夕、三泊四日の福岡出張から人吉に帰りました。

こんなに長く時間を取ったのには目的があったからです。

 

土曜日に前泊して、日曜日は福岡伝道所で生神女進堂祭の聖体礼儀を執行。生神女進堂祭については、12月4日に投稿しています。

生神女(イエスの母マリヤ)の祭日は青色の祭服を着るのがロシア正教会の伝統なので(一方、バルカン諸国の正教会ではあまりドレスコードは厳密でない)、私物の青い祭服を持参しました。


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福岡伝道所は九州の教会で一番会堂が狭いですが、参祷者は一番多く、一けたになることは滅多にありません。

しかし、このところの寒さで体調を崩したり、年末でいろいろ用事があった人が多くて、7人しか参祷者はいませんでした。

 

普段、伝道所のメンテナンスは現在86歳の執事長がしてくださっているのですが、現在入院中のため、午後に私たち夫婦で残って大掃除しました。次回の巡回は年明け後の1月9日で、祈祷も降誕祭なので、参祷者の皆さんが新年とクリスマスを綺麗な環境で迎えられるようにしました。

 

月曜日は福岡市内の病院で、大腸と胃の内視鏡検査を受けました。胃は毎年バリウム検査を受けていますが、大腸内視鏡検査は2008年に受けたのが最後だったので、時間を取って受診したものです。私は若い時からひどい便秘気味の体質で、大腸ガンのリスクが高いと言われ、大変不安を感じていたのです。

便秘のせいか、この検査でも病院で下剤を飲み始めてから、腸内が空になって検査ができる状態になるまで4時間もかかりました。

全身麻酔を受けたので、検査の間は全く記憶にありませんが、16時に目覚めて画像を見ながら医師の説明を聞くと、胃も大腸もガンはおろか、何ひとつ異変のない綺麗な状態だということがわかり、ホッと胸をなでおろしました。

説明の後、病院が用意した弁当をいただきました。朝から何も食べていなかったし、日曜日も検査前日ということで、昼も夜も月見うどんしか食べていなかったので(聖体礼儀の前は何も食べられないので、日曜日はいつも朝食抜き)、生き返った心地がしました。

 

以前勤めていた大企業と違って教会で奉職することは、病気になったり障害を負ったりして働けなくなっても、さらには在職中に死亡しても何の保障もありません。先輩の神父様たちの最期を見てきてよく分かっています。よって司祭職を続けるためには、自分の健康を自分でしっかり管理しなくてはならないと考えています。

教団では定期健康診断を毎年行っていますが、その基本的な結果内容だけでは不十分と感じていますし、悪い結果が出ても放置していたら健診の意味自体がありません。

10月の鹿児島巡回時にも自費で胸腹部のCTとMRI検査を受けましたが、信者さんたちを長く導いていくために、身銭を切ってでも健康の維持を心掛けています。

 

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昨日は福岡を発って、人吉と逆方向の小倉へ。

九州には4か所に教会があり、信者はそのいずれかに所属して参祷するよう勧めてきました。しかし現実問題として九州は広く、自分の住所から遠隔地にしか教会がない地域の人々には無理な話だというのが牧会して良く分かりました。

もちろん、正教会には個別の家庭を訪問して祈る「廻家祈祷」というシステムはありますが、礼拝を通して他の人々と祈りを守るためには、そのための「場」が必要です。そこで、向こうから教会に来てもらうことに期待するより、こちらから出向いて行って現地に場所を確保し、祈祷を行う「地域集会」を展開しようと考えました。

信者が住んでいないところで開催してもあまり意味がないため(信者以外の人に教えを説くだけなら、リアルな礼拝の場でなくネットでも可能)、信者が複数住んでいるのに教会に誰も来ない地域を検証して、候補地として小倉を選びました。

安く借りられて集会ができそうな会場を事前にネットで調べておき、昨日実際に行って下見してきました。

小倉近辺の信者の意見を聞きながら、来年の復活祭は既存の教会に加えて小倉でも祈祷できるように準備しようと思います。

 

下見は午前中には終わってしまい、そのまま人吉まで300㎞近く運転して帰るのも面白くないので、妻と小倉城を散策してから帰路に就きました。

祈祷も視察も私用も、とりあえずやるべきことはやったという満足感のある三日間でした。

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小倉城