今日は熊本ハリストス正教会で聖体礼儀を行いました。
熊本県では14日から、県独自のコロナ緊急事態宣言を発令。
飲食店ではどこでも入口に店員がいて、客の手のアルコール消毒と検温を徹底していました。どうやら県からの指示のようです。
熊本教会から徒歩で行ける距離の、市中心部の水道町にはカトリック手取教会とルーテル熊本教会の、熊本市で代表的なカトリックとプロテスタント両派の教会があります。どちらの聖堂も歴史的で立派な建物です。
緊急事態宣言で礼拝をどうするのか、案内を見てみましたら、春の宣言時は礼拝を中止していたものの、今回は三密の防止対策を講じた上で実施することになっていました。
このような環境下で私たちも聖体礼儀を行うわけですから、従来からの参祷者のマスク着用の徹底に加えて、一部の窓を開けっぱなしにして会堂内の換気を重点的に行いました。
聖歌については開式前に妻から「聖歌を歌うのは自粛してください」とアナウンスしたのですが、意味が通じなかったのか結局普段と変わりませんでした。
「コロナの飛沫感染のおそれがありますから、聖歌を歌わないでください」とはっきり伝えなきゃダメだよ、と妻に言いましたら、「私は言いたくないので神父が直接言ってください」とのこと。
自分が信者から嫌われ者になりたくないのかも知れませんが、コロナ対策でそんなことを考えていたら国の偉い人と同じになってしまいます…まあ、文句を言っても仕方ないので、来週から私からはっきりとアナウンスすることにしました。
今日は嬉しいことがありました。
ノルウェーから一時帰国中のグレゴリーさんとケイ子さんの夫婦が、数年ぶりに熊本教会に参祷したのです。
先月、ケイ子さんのお父様(未洗礼)が重態となり、ご自宅を訪ねて病者平癒祈祷を献じました。
その直後、彼ら夫婦も急遽帰国。お父様を看取るためです。
しかし今日お聞きしたら、お父様はめきめきと回復されたとのことでした。改めて祈りの力を感じました。
そのグレゴリー夫妻は日本で2週間の隔離期間を守り、PCR検査でも陰性なので心配は全くないのですが、日本でもヨーロッパでも感染拡大が進んで、ノルウェーに戻れる目途が立たなくなってしまったそうです。
その結果、ケイ子さんが洗礼を受けた熊本教会に、数年ぶりに参祷できたというのも、不思議なめぐり合わせかも知れません。
彼らは参祷できてとても喜んでいました。
コロナの感染拡大で教会活動も人々の生活も大きな制約を課せられているのですが、その綱渡り的な状況下で、この教会が少しでも人の喜びや希望に繋がる存在になれたら良いと思います。