いつも来ている母子が二組、見えられました。
夕刻からは聖堂で、アカフィストのスボタ(大斎第五土曜日)の早課を執り行いました。
「アカフィスト」も「スボタ」も教会スラブ語の単語なので、説明が必要です。
「アカフィスト」はギリシャ語の「アカシストス」(着席しない)の教会スラブ語で、様々な聖人を讃美する祈祷の名称です。ここでは生神女(神の母)マリヤへのアカフィストとなります。
また「スボタ」とは教会スラブ語(現代ロシア語も同じ)で「土曜日」という意味です。ヘブライ語の「シャバト」(安息日)に由来する単語です。
よって、アカフィストのスボタとは「神の母マリヤに捧げる土曜日」というニュアンスになります。
早課自体は通常の祈祷なのですが、アカフィストのスボタの早課は司祭による「生神女のアカフィスト」の祈祷文の朗読が追加されている分、時間も長くなっています。
復活祭はキリストが私たちのために十字架上で死に、復活して信じる者に永遠の生命を示したこと(これを「救い」という)を記念するものです。そのキリストは神が人間となってこの世に生まれた方であり、人間の女性であるマリヤが母となってキリストを産んでくださったから救いも実現した、という考えに基づいて、復活祭の二週間前のタイミングで、マリヤを讃美して祈りを献じるわけです。
逆に言えば、アカフィストのスボタは待ちに待った復活祭まであと二週間、もう少しだ、というマイルストーンになっています。
コロナ感染拡大は心配なところですが、何とか無事に復活祭を迎えたいと思っています。