一昨日は熊本ハリストス正教会に巡回しました。
会堂のシロアリの食害が酷く、リフォームを発注したことは既に投稿しています。
工事のため10月は一か月間、教会をクローズしました。
その工事が先月末に完了し、今回はお披露目です。
シロアリに食われてボロボロになっていた土台を入れ替え、穴が開いてスカスカになっていた床と壁(高さ1mくらいまで)も新調しました。
床は無垢材を使い、いきなり高級感アップです。
会食用の湯飲みや皿を入れていた古い茶箪笥も、壁を伝って来たシロアリに食われて底が抜けてしまったのですが、執事長が新品を献納してくれました。
熊本教会は80代後半と90代の信徒4人だけの教勢であり、教会の閉鎖も真剣に考えなければと思っていたのですが、今回のリフォームは信徒の側から希望したので施工したものです。
自分たちの次の世代に熊本の教会堂を残したいという気持ちに他なりません。
これは頑張って開拓しなければ、という気持ちにさせられました。
聖体礼儀が終わって、午後は宇土市に住む信徒のダリヤさん(仮名)を訪問。
ダリヤさんは定期的な廻家祈祷(家庭訪問)を希望しているので、熊本巡回の後は他の予定がない限り、訪問するようにしています。
大正13年生まれの彼女は九州の最高齢信徒で、今日(11月14日)が99歳の誕生日。それで2日早い白寿のお祝いということで、セルビアの土産などをお持ちしました。
どこも教会は高齢の信徒が多く、必然的に私も高齢者と接する機会が多いのですが、90代は概ね運動機能(特に歩行能力)に異常があるか、認知症を発症しているかのいずれか、あるいはその両方の状態の人がほとんどです。
歩行が不能、あるいは億劫になり、寝ていることが多くなると、比較的早くお別れの時が来るように感じます。
しかし、ダリヤさんは認知機能は問題なく(数分前にこちらが話したことを忘れて同じことを尋ねるなど、高齢者特有の傾向はある)、身体機能も正常です。
何もつかまらずに椅子から立ち上がったり、杖をつかずに歩くことが支障なくできます。まさに健康長寿そのものです。
今でも近所のスーパーまで徒歩で買い物に行っていると言っていました。
初めて会ったのは着任した4年前で、その時既に95歳でしたが、その頃と全く変わっていません。80代前半くらいに見えます。
聖使徒ヨハネは聖書に「この弟子は死なないといううわさが兄弟たちの間に広まった」(ヨハネ21:23)と記され、実際に大変な長寿だったのですが、ダリヤさんも神に選ばれ、長く元気に生きておられるように思えてきます。
私は今年で60歳。還暦という言葉に急にお爺さんになったような感覚でいたのですが、綺麗になった熊本の会堂と白寿のダリヤさんに接して心機一転、もっと頑張らねばという気持ちにさせられました。