九州の正教会

日本ハリストス正教会のグレゴリー神父です。2019年から九州全域を担当しています。

ダニイル府主教の葬儀 私は九州で仕事

昨日は8月10日に永眠したダニイル府主教の埋葬式(告別式に相当)が、ニコライ堂セラフィム大主教の司祷により執り行われました。

教団からの通知で、教団が指定した司祭のみ陪祷ということでしたので、私は参列せず、弔電のみお送りしました。

本州の司祭たちは自主的に参列した人も少なくなかったのですが、昨日の新幹線の大遅延で葬儀に間に合わなかった神父や諦めて引き返した神父もいたようです。

 

京都教会のソロモン伝教者から写真を送ってもらいました。

ダニイル府主教の埋葬式(ニコライ堂

写真を見ると、一般信徒がたくさん参列しており、正教会にとって首座主教の葬送がいかに大きな出来事であるか、見て取れます。

 

埋葬式後、府主教の棺は横浜外国人墓地に運ばれ、埋葬されました。

ダニイル府主教の埋葬(横浜外国人墓地

 

わが国は火葬が普通であることは誰でもご存じのとおりですが、過去の日本の主教たちについては正教会の伝統に則って土葬されてきており、ダニイル府主教にも同じ対応がなされました。

横浜外国人墓地は首都圏でほぼ唯一土葬できる墓地であり、私の前任教会の管轄地でもあるので、当然ダニイル府主教の将来の埋葬場所も知っていましたが、実際にその日が来てしまい、かつ自分は転勤してしまったために立ち会えなかったことに、複雑な思いでいます。

 

さて、そのようなわけで私は東京には行かなかった代わりに、九州で仕事です。

昨日の午後は熊本教会に行き、リフォーム業者と打ち合わせ。

会堂のシロアリの食害が4年前の着任当初から気になっていたのですが、もう我慢の限界を超えたのでシロアリ駆除と破損個所を直すことにしたのです。

 

立ててあった古い書籍には壁からシロアリが入り込んで、中でウヨウヨはい回っていました。本は箱の中で土のようにボロボロになっていました。

本が接していた壁面。穴だらけになっている

床の上に敷いてある絨毯をめくると、これまたシロアリがウヨウヨ。

シロアリが開けた床の穴

 

あまりにもグロテスクな光景なので、写真は這い回っているシロアリを除いた後のものを載せています。

 

業者の見立てでは、会堂の床下全てがシロアリにやられているのはほぼ確実とのこと(それは素人の私でもわかる)。

そもそも熊本教会は、戦前からあった教会堂が空襲で焼けてしまい、六十数年前に資産家のY氏の屋敷の物置小屋を会堂に改装して今も使っています。

Y氏の死後、屋敷は人手に渡ってしまいましたが、会堂が建っている10坪ほどの土地だけは宗教法人名義に変更していたため、売却を免れて今日に至りました。

そんなお金持ちだったのなら、物置ではなくてちゃんと専用に建てた教会堂を寄進なり遺贈なりしてくれても良かったのに、などと不埒な思いにもなります。

かなり大掛かりな工事をしなくてはなりませんが、小さな教会で手元資金がありません。そのため、シロアリ対策も過去に全くなされていなかったのです。そういう教会を私が引き継いでしまったわけですが、どういうレベルまで修繕するか、これから出てくる見積りを見て思案しなくてはなりません…

 

今日は福岡へ。

大阪から出張した教団財務委員長のゲオルギイ神父を案内して、福岡の新教会用地の物件を視察してもらいました。

東京で来週行われる財務委員会で、教団からの物件の購入資金提供を決めてもらえるよう念押ししました。ある意味、社内営業です。

誰が見ても購入に賛成するような物件なので、早く結論が出てほしいと思います。

広々としたリビング。ここを信徒会館にしたい

 

そんなこんなで、この二日間は工務店か不動産屋になったようでした。