7月8日(土)と9日(日)の二日間、東京・ニコライ堂で全国公会(教団の年次総会)が開催されました。
議事自体は企業の株主総会と同様、前年度の業務報告、決算報告と予算審議、あとは人事異動の発表など、基本的に毎年同じような内容です。
しかし、今年は嬉しいことがたくさんありました。
私と直接関わりがあった人たちが、聖体礼儀の中で続々と叙聖(聖職者への任命)や昇叙を受けたからです。
まず聖体礼儀の開式前に修善寺教会のイオアン兄とワルナワ兄が誦経者に祝福(任命)。
私自身は前の会社を辞めて神学校に入る前の2年間、修善寺教会に信徒として通っていました。
また司祭に叙聖されてから1年だけ、修善寺教会を管轄しました。
ですからイオアン兄とワルナワ兄は20年前からのお付き合いです。
聖体礼儀の小聖入(福音書を掲げた行列)の前に、ニコライ堂のミハイル神父と札幌教会のイアコフ神父が長司祭に昇叙。イアコフ神父は勇退が決まっており、これまでの長年の功労として昇叙されたものです。
私は前職時代の2000年、1年だけ北海道にいましたが、当時輔祭だったイアコフ師ご夫妻(奥様は今は故人)には公私とも本当にお世話になりました。
私が所属する西日本教区の宗務局長で京都教会のパウェル神父には、司祭叙聖40年記念でミトラ(冠)が授与。
ミトラは本来、主教が身につけるアイテムであり、司祭にはよほど高位でなければ与えられません。大変めでたいことです。
そして聖変化の後、横浜教会のイオアン副輔祭が輔祭に叙聖されました。
私は28年前、横浜教会に通い始めて信者になりましたが、同じ時に通っていたのがイオアン新輔祭でした。
巡り巡って、後に私は横浜教会の管轄司祭となり、彼も信徒として同じ教会のメンバーでありました。
その彼が神に召し出されて聖職者となったことを、長い付き合いの「仲間」の一人として本当に嬉しく思います。
なお、説教者は私が指名されていたので、十数年ぶりにニコライ堂で説教をしました。
気合を込めて原稿をかなり入念に準備したのですが、話している間にマイクが故障したようで、終わった後で「途中から何を言っているのか、聞こえなくなった」と言われてしまいました(泣)
さて、聖体礼儀後の公会二日目で、福岡に現伝道所に替えて、九州管轄の中心となる新教会の設立を教団が認可したことが、正式発表されました。
セラフィム大主教からは「新しい管区を新設することは戦後の日本正教会で初めてのこと」「グレゴリー神父のように、みな宣教に積極的に取り組んでほしい」というコメントがあり、心強く思った反面、「これでいよいよ引っ込みがつかなくなったな」という気持ちも正直あります。
まだ構想段階であって、資金集めも行政的な諸手続きもこれから着手するのですが、皆様の協力を仰ぎながら何とか実現したいと思っています。