今日は本のお勧めを。
2014年度の直木賞受賞作家・朝井まかて氏の小説『白光』です。
日本初のイコン画家、というより日本初の女性西洋画家・山下りん(1857-1939)の生涯を書いた伝記小説です。
文藝春秋の「オール読物」2018年7月号から2020年11月号まで、隔月で連載されていましたが、先月7月26日に単行本になりました。
私は「オール読物」を買って連載を読み続けていましたが、待ちに待った単行本が出るということで、アマゾンに注文して刊行と同時に購入しました。
ネタバレは望みませんので引用はしませんが、史実をとてもよく取材してあり、ドキュメンタリー映画を見るようです。
また、主人公のりんの心理描写は、フィクション(本人に聞いたわけではない)なのに迫真の描写で、さすが直木賞作家の筆です。
NHKの連続テレビ小説や大河ドラマで映像化されても良いくらいの内容だと思っています。
それは朝井氏の文才も勿論ですが、主人公の山下りん自身の生き方がそれだけドラマチックで魅力的だからです。
山下りんの生涯と、私が彼女の「追っかけ」で故郷の笠間まで行った話は、彼女の命日である1月26日に投稿しました。同じことを書くのもどうかと思うので、添付の過去記事を読んでください。
私は山下りんという女性にぞっこん惚れ込んで(百歳以上年上ですが)今日に至っています。
しかし、その彼女に対する贔屓目を差し引いても、また正教会に関心があろうとなかろうと、「絵画に人生をかけて一つの時代を生きた女性の生き様」を知るという意味で、皆様にぜひこの『白光』を一読していただきたいと思っています。