九州の正教会

日本ハリストス正教会のグレゴリー神父です。熊本県人吉市から情報発信しています。

クリスマスに向けて

昨日は鹿児島に出張。
カトリック鹿児島司教座のザビエル教会で行われた「牧師・神父の会」に出席するためです。

カトリック鹿児島ザビエル教会

鹿児島はカトリックプロテスタントとの超教派の交流が積極的なようで、「牧師・神父の会」も鹿児島市内の両教会合同の教職者の勉強会として、3か月に一回開催されています。

私も9月に講師の立場で初めて参加し、今回も聴講者側として参加しました。

私はカトリックでもプロテスタントでもないですし、鹿児島にある教会を管轄しているとはいえ、自分自身は熊本県民であって鹿児島在住ではありませんから、本来参加する理由はないかも知れないのですが、他教派の牧師・司祭のお話を聞いたり情報を得たりすることは有意義だと思うので、可能な限り参加することにしたのです。

 

frgregory.hatenablog.com

 

今回は最近、ヨハネによる福音書の註解書を出されたメソジスト派教会の牧師先生の講話でした。

本題のヨハネ伝もさることながら、ブラジルで8年間宣教活動をされていたとのことで、そちらのお話の方が興味深く思いました。

というのも、ブラジルは世界最大のカトリック信徒人口を誇る国であり、自分の印象として当然「カトリック国」だと思っていたのですが、移民の国ということもあってプロテスタントのコミュニティもそれなりに多いのだそうです。

何事も断片的な印象で決めつけてはいけないなと、改めて思わされました。

 

講話の後のミーティングでは、「鹿児島市民クリスマスを今後どうするか」が議題となりました。

鹿児島市民クリスマスとは、1961年から毎年12月に、カトリックプロテスタント合同で開催されてきたクリスマスイベントです。


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私の着任直後の2019年12月に第59回が開催され、鹿児島ハリストス正教会にも案内が来たのですが、開催日が日曜日であり、自分の教会の巡回を休むことはできないため、申し訳ないですが無視してしまいました…

その後のコロナ禍のため、このイベントは中止が続き、今年も中止が決定しています。

 

ミーティングでは「正式に廃止する」か「来年再開する」かが話し合われました。

その結果、従来のイベントの「日曜日開催」「お金をかけて音楽家や外部講師を招聘」「チケット販売により参加者から入場料を徴収」といった、主催者と参加者双方のハードルを上げている要素を廃して、「土曜日開催」「教会の教職者と信徒のみによる運営」「入場料ではなく任意の献金」といったシステムに切り替えて、可能な形で開催を試みようという方向になりました。

いずれにせよ、西方教会にとってクリスマスは大きな位置づけであり、それに向けて教派を超えて鹿児島独自で何かをやろうという取組みは大変良いことだと思いました。

 

さて、わが日本正教会の降誕祭は1月7日(ユリウス暦の12月25日)ですが、私は一人で4教会を兼務していますので、年末年始は「毎週どこかでクリスマス」ということになります。

人吉の降誕祭は12月25日(日)の予定ですが、時間のあるうちに準備を済ませておこうということで、一昨日に妻が聖堂に行ってクリスマスツリーを飾り付けてきました。

人吉の聖堂のクリスマスツリー

今週末の18日(日)は鹿児島教会で降誕祭です。

今年は地元の子ども会と合同の「ファミリークリスマス会」を3年ぶりに再開することが決まったので、前日の17日に準備することにしています。

3年前の2019年は私の着任直後で、当然クリスマス会も引き継いでから初めての開催でしたが、近所にこんなにたくさん子どもたちが住んでいるのかと驚くくらい、たくさんの参加者で聖堂が埋め尽くされ、嬉しくなりました。

 

frgregory.hatenablog.com

 

しかし2020年はコロナ禍で、学校行事自粛の流れに従ってクリスマス会も中止。昨年はイベントは行わず、降誕祭の午後、聖堂に来た子どもたちにプレゼントを配ることに留めました。

 

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今年は子どもだけで3年前を上回る60人以上の参加申し込みがあったので、密集を避けるために二回開催とします。嬉しい悲鳴です。

 

クリスマスプレゼントも子ども会が用意した物品を配るだけでは教会でやる意味がないので、山下りんのイコンをプリントしたクリスマスカードを自作しました。

正教会のクリスマスの挨拶は「ハリストス生まる」(Christ is born!)ですが、あまりにも一般になじみがなさ過ぎますし、「メリークリスマス」は逆に正教会の言い回しではないので、妻の意見を入れて無難な「クリスマスおめでとう」にしました。

自作のクリスマスカード

教会も祭も遊びのためではなく、祈りのためにあるとはいえ、楽しいものは率直に楽しいに決まっています。皆が、とりわけ子どもたちが教会に来て良かったと思えるような降誕祭にしていきたいと思っています。