九州の正教会

日本ハリストス正教会のグレゴリー神父です。熊本県人吉市から情報発信しています。

自然の力 6月に起きた地震の数々

今日は人吉ハリストス正教会子育て支援サロンの開催日。参加者はいませんでしたので、私は境内の草刈りをしていました。

夏になると、昔に植えられたまま放置されていた球根植物や、旧司祭館の床下から生えてきた雑草が大輪の花を咲かせます。当然ながら何の手入れもしていませんが、自然の力は大きいことを実感させられます。

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教会の境内に勝手に生えてくる花々

 

さて自然の力といえば本日、6月18日は2018年に最大震度6弱の「大阪北部地震」が発生した日です。

大阪府内に限れば、阪神淡路大震災を上回る震度でした。

大阪ハリストス正教会も大阪北部の吹田市にありますので、心配で連絡してみたら、物の落下はあったようですが、建物には被害がないと聞いて安堵した記憶があります。

 

この地震で6人の方が亡くなったのですが、そのうちの一人は小学校のブロック塀が倒壊し、たまたま側を通りかかって下敷きになった生徒でした。

宮城県沖地震からちょうど40年経ったのに、その教訓が全く生かされておらず、何の落ち度もない子どもの命が奪われたことにやり場のない憤りと悲しさで一杯になりました。

 

宮城県沖地震とは1978年6月12日に発生した大地震です。

私の感覚では、宮城県沖地震と呼ぶ場合、この1978年の地震を想起するのですが、宮城県沖を震源とする地震は数多く発生しており、その最たるものが2011年の東日本大震災なので、この地震の場合は「1978年宮城県沖地震」と年号を入れるのが正式なようです。

この地震が発生したのは17時過ぎで、当時中三だった私は体育祭か何かの準備で教室にいました。東京は震度4でしたが、揺れている時間がとにかく長く、窓から見えるプールの水面が波打っていて、何だかとんでもないことが起きたように思いました。

この地震の最大震度は仙台市などで5でしたが死者は28人もいました。うち18人がブロック塀の下敷きになった人々でした。

以来、マスコミはブロック塀の危険性を書き立てたので、行政もブロック塀の高さや鉄筋の有無などについて規制を加えたものとばかり思っていました。

しかし三年前の大阪の地震で、全国の自治体でブロック塀の耐震基準を決めているところはほとんどなく、結局野放しだったことが明るみに出たわけです。

市民の誰かが死ななければ動かない、いやたとえ死んでも動かない行政なら、存在意義がありません。まさに「税金泥棒」です。

猛省を促したいと思いますが、私たちも残念ながら「いざという時に行政はあてにできない」と考えて、防災の備えをしなければならないでしょう。

 

さて大阪北部地震のちょうど1年後、2019年6月18日に最大震度6強の山形沖地震が発生しました。

また、2008年6月14日には最大震度6強の岩手宮城内陸地震が発生しています。この時は土石流で温泉旅館が下敷きになるなどして、死者・行方不明者は23人もいました。

この地震では、震源近くの宮城県栗原市にある金成ハリストス正教会が大きな被害を受け、お金と時間をかけて聖堂を修築しました。しかし完成直後、東日本大震災に見舞われ、再び被災してしまいました。大変な試練に遭っています。

 

なぜか大地震は6月に集中して起きている印象なのですが、本来なら地震は365日、いつでも起こる可能性があるはずです。

現に熊本県が大地震に見舞われたのは5年前の4月であり、県内は今も復興途上です。

そのようなわけで、前述のように自分たちが防災への備えをするだけでなく、災害が起きた時に教会が被災者のお役に立てるにはどうしたら良いか、今も考え続けています。