今朝の人吉は3℃!寒さがいよいよ本格化しています。
今週の土曜日は義母が亡くなって5年となる日で、妻は実家の所属教会の死者ミサに出るために、今日東京に戻りました。
妻を鹿児島空港に送ってから、空港のそばにある「西郷公園」に立ち寄ってみました。
武家屋敷風の立派な構えですが、西郷隆盛がこの辺に住んでいたとは聞いたことがないし、これは一体何かなと思っていました。
この公園は昭和63年に溝辺町(現・霧島市)が鹿児島空港のそばに西郷隆盛の銅像を建てた時に造営されたものとのこと。門構えは島津家の別邸を模して、その時に造ったものだそうです。
敷地の奥まで行くと巨大な西郷像が。日本最大の人物像と書いてありましたが、やはり鹿児島県人にとって西郷さんは神なのかも…
この銅像は鹿児島県出身のある人物が京都に建てようと注文したそうですが、その人が死去したため製造元に放置されていたとのこと。それを旧溝辺町で買い取って、建立したそうです。
人吉に戻ってから、午後は教育会館に一人芝居を見に行きました。
劇団民藝の境賢一さんという俳優さんが、自身が熊本県出身ということで、水害で被災した人吉の演劇愛好者のために、井上ひさしの戯曲『父と暮せば』を一人芝居で上演したものです。
どうやら観劇サークルのメンバー向けに告知されたイベントだったようですが、私の場合は親戚が劇団民藝にいるという東京の友人の紹介で入れてもらいました。
原作は原爆で死んだ父親の亡霊と生き残った娘との会話による二人芝居として書かれたもので、ボリュームも正味1時間以上ありますが、境さんはト書きも含めてすべて一人で演技。
もちろん舞台演劇は過去に何度も見たことがありますが、このように舞台装置も小道具も何もなしで、一人で演じるスタイルの芝居は初めてです。
原爆で多くの友が無残な屍となり、また父が火に包まれていくのを目の当たりにした娘が、自分が生き残ったことへの罪悪感に苦しむという、かなり重いストーリーなのですが、さすがベテラン舞台俳優だけあって、せりふ回しも間合いも実に素晴らしく、迫力もあって引き込まれました。
私も言葉を発して人にいろいろなメッセージを伝えていく立場ですので、そういう意味では学ぶところも大きかったように思います。祈りも説教も「演技」ではありませんが…