九州の正教会

日本ハリストス正教会のグレゴリー神父です。熊本県人吉市から情報発信しています。

人吉の武家屋敷

人吉は鎌倉時代以来、700年にわたって相良家の城下町でした。

しかし西南戦争の戦場となったことで、江戸時代以前の古い建物はずいぶん失われたようです。

 

そんな中で、一般公開している武家屋敷が1か所だけ市内にあります。相良家の重臣のひとつ、新宮家の屋敷です。

 

この家は西南戦争田原坂から撤退した西郷隆盛が宿舎にしました。

もっとも実際に西郷が滞在した家は、明治政府軍の攻撃で焼けてしまいました。現在ある茅葺きの建物は、当時の新宮家の当主で新政府陸軍の幹部だった新宮簡が、藩主の狩りの休憩所「御仮屋」を拝領し、移築したものです。


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また門も、廃藩置県で廃城となった人吉城の堀合門を移築したものです。


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庭園もなかなか見ごたえがあります。


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見学料を払って入場すると、建物のオーナーさんが詳しく説明してくれます。

周辺には「ゆうれい寺」の通称で呼ばれる永国寺や、球磨焼酎のトップブランド・繊月酒造本社など、見所が集中していますので、観光にはとてもいい場所だと思います。

 

武家蔵(新宮家武家屋敷)

人吉市土手町35-1