九州の正教会

日本ハリストス正教会のグレゴリー神父です。熊本県人吉市から情報発信しています。

今日は教会報の印刷と封入~教会報へのわたしの考え

今朝の人吉は最低気温9℃。快晴なのに朝霧が立ち込めて曇り空のように見えます。

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今朝8時の外の景色

秋が本格的に深まり、さらに寒い冬に向かうと毎日がこんな景色です。もっとも本格的な秋といっても、今日の最高気温は26.8℃。

夏も冬も、朝晩の気温差が大きいのが山里・人吉の特徴です。

 

今日は教会報の印刷と封筒詰めをしました。

 

日本正教会では、概ね各教会または管区(一人の司祭が管轄する教会群の。九州地区も管轄司祭は一人なので該当)単位で、月刊または各月刊で会報を発行し、所属信者や関係先に郵送しています。

教団にも提出し、教会間でも相互に交換し合っています(つき合いがある教会間であって、全ての教会とではありません)。

複数の信者が編集委員となって、何ページもある冊子のような豪華な会報を出しているところもあれば、原稿も編集も神父が一人でやってプリントアウトしているところ(私は前任地時代からそうです)もあり、教会ごとに個性があって読んでいて飽きません。

 

郵送料はそれなりにかかるので、ここ数年は経費削減のために郵送を取り止め、会報をpdfファイルでメールに添付して送る教会が増えてきました。

それ自体は通信費削減には最も効果的なので、私も評価しますが、自管区については郵送スタイルを崩さないようにしています。

といいますのは、受け手の側の心理として、メールを開いて画面で見るより、プリントされた現物をちゃんと手に取る方がより確実に読むと思われるからです(あくまでも自分の経験ですが)。

いわば作家兼編集者である私としては、書いたものを読んでもらってナンボ、読んだ相手に少しでも伝わるものがあれば、と考えています。つまり教会報は自分の「小さな著作」だという考えです。

また、広範囲に信者が点在している九州地区では、皆が教会に来ること自体が難しいので、送った会報が戻らずに届いていることで「安否確認」ができるというメリットもあります。

 

さて、先月と今月で行ったことは「会報の発送先の見直し」です。

既存の信者は接点があるから良いのですが、過去の管轄司祭時代に信者でない相手と何かの接点があって会報を送り、そのまま何年も送りっ放しにしているケースが少なくないように感じていました。

前任者との関係も配慮して私も送り続けていましたが、今月で着任1年の区切りを迎え、けじめとして整理することにしました。

具体的には私が着任してからの過去1年間、「一度も教会に来たことがなく」かつ「献金を1円も納めたことがない」人をピックアップ。その人には会報の郵送をストップすることを先月は予告、今月は最終通知することにしたのです。

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発送予定の教会報

先月予告した人の中から数人、「教会に献金を納めたいのですがどうしたら良いですか」という照会がありました。もちろん、その方たちからはありがたく献金を頂戴し、削除対象者から外しました。

しかし、誤解してほしくないのは、これは「献金の督促」という、みみっちいレベルの考えでやっているのではないということです。

確かにどんなに余裕のある大きな教会でさえも、運営していくために献金は必要です。まして信徒の少ない九州管区などは全くといって良いほど予算がないので、コピー機のリース料も郵送料も全て私個人で自腹を切っています。つまり、自分の仕事の必要経費分のお金を教会に寄付しているのと同じです。

しかし、私が身銭を切ってまでそうしているのは、前述のように私が書いたものを通して何かが少しでも伝わってほしい、その結果「教会に行ってみようかな」「少しだけど、このお金を役立ててほしい」「分からないことがあるので教えてほしい」「神父に私の悩みを聞いてほしい」…等々、こちらの真剣な呼びかけに対してどんな小さな声でもいいから答えが返って来てほしいと思うからです。

1年経って、予告までしているにも関わらず答えが返って来なかった方は、私に伝える力がなかったのか、先方が無関心だったのか(そもそも会報を読まずに捨てている可能性もあり)分かりませんが、ご縁がなかったものと思わざるを得ない。残念…そういう結論です。

 

pdfファイルをメールで送るだけなら、そもそもお金はかかっていないし、ストップするのも機械的メーリングリストから外せば良いだけなので、「事務処理」で完結してしまい、心が痛むなんてことはないですが、「自作品の郵送」というアナログにこだわっていることで、いろいろな思いが心の中に湧いてきます。

 

まあ、今後の新たな出会いに期待して、また頑張ります。