9月27日(ユリウス暦の9月14日)は、4世紀にイエスがかけられた十字架がエルサレムで発見されたことを記念する十字架挙栄祭(じゅうじかきょえいさい)です。
発見者の皇太后エレナは、ローマ皇帝でキリスト教を初めて公認したコンスタンティヌス大帝の母親です。よって「コンスタンチンとエレナ」(日本正教会でのスラブ語読みの表記)は、使徒と等しい働きを成した聖人の「亜使徒」としてペアで列聖されています。彼らの祭日(記念日)は6月3日(ユリウス暦の5月21日)です。
そのため、男性でコンスタンチン(ギリシャ語ではコンスタンティノス)、女性でエレナという洗礼名は、正教会社会では大変ポピュラーなものとなっています。
十字架挙栄祭では、前日の徹夜祷で十字架を至聖所(聖堂の内陣)から出し、聖堂中央に花で飾って安置します。これを十字架の捧出(ほうしゅつ)といいます。そして、祈祷の中で司祷者も参祷者も十字架に伏拝(ふくはい。最上級の讃美の表現として対象物にひれ伏すこと)をします。
キリスト教ではイエスの十字架上の死(受難)によって、全人類が罪から解放されたと理解しており、この十字架挙栄祭においてイエスの受難を記念し、その十字架を讃えることで、イエスご自身をも讃美するという考えです。
人吉では徹夜祷ではなく、前半部分の晩課という祈祷しかしていませんので、十字架捧出の前で祈祷が終わってしまいます。
そこで、十字架を飾るためのフラワーアレンジメントは明日、鹿児島の巡回に持参して、そこでお披露目(?)ということになります。
前任地では、フラワーアレンジメントは信者さんたちに手伝ってもらっていましたが、こちらでは妻が一人で作りました。
九州内の教会は参祷者が少ないからか、過去にこういった諸祭日の祈祷をきっちりやっていなかったようで、鹿児島の人たちも十字架への伏拝など初めてだと言っていました。
しかし、教会の祭日は意味があって制定されているわけですから、そこは妥協せずにきちんと趣旨を伝えていきたいと思っています。