昨日、コロナワクチンの二回目接種を受けました。同年代の知人のほとんどが翌日に高熱を発したのですが、私は昨日も今日も拍子抜けするくらいに平熱のままです。
ただ、朝から猛烈な倦怠感が今も続いていて、パソコンに向かっていると1時間くらいで横になりたくなります。副反応の種類の中に「倦怠感」と書かれていたので、私の場合はそれかも知れません。
さて今日は、福岡飲酒運転3児死亡事故から15年となる日です。
「忘れないで」3児死亡飲酒事故から15年 基準値大幅超の摘発高止まり https://t.co/M3jVtJvqlq #西日本新聞
— 九州の正教会 日本ハリストス正教会九州管区 (@ocjkyushu) 2021年8月25日
事故は2006年8月25日夜、福岡市の海の中道大橋で発生しました。
加害者の福岡市職員の男は大量に飲酒した状態で、猛スピードで車を運転。前方の親子5人が乗った車に追突しました。その車は欄干を破って海に転落、両親は脱出して一命を取り留めましたが、幼い3人の子どもたちは死亡しました。
加害者はそのまま走り去りましたが、酔って運転できなくなり、知人に水を持って来させて飲むなど隠蔽工作をしましたが、結局は警察に逮捕されました。
この事故は、子どもが3人も亡くなったことの悲惨さに加え、加害者が市民のために働くべき市職員であったことで、大きな注目を集めました。
裁判では危険運転致死傷罪の適用の可否が争点となりました。被告は危険運転の罪を逃れるために「事故は飲酒でなく脇見が原因」「海に落ちたのは被害者側の居眠りに違いない」など、根拠の示せない自己弁護を続けましたが、2011年に最高裁で危険運転致死傷で懲役20年の判決が確定しました。
加害者は今も受刑中だそうですが、罪もない子どもを3人も実質的に殺害しておいて20年で刑務所から出られるなんて、ずいぶん軽い刑で済むものだと思います。
これ以後、道路交通法が改正されて飲酒・酒気帯び運転の罰則が強化されるなどしました。そのため、「飲んだら運転しないのは常識」という意識は昔よりは定着している印象です。
しかし、飲酒運転がゼロになったわけではありません。
今年の6月28日、千葉県八街市で大事故が発生しました。
集団下校中の小学生の列に飲酒運転のトラックが突っ込み、2人が死亡、1人が意識不明の重体、2人が重傷となりました。
安全対策次々 条例制定の動きも 八街事故から1カ月:朝日新聞デジタル https://t.co/VJYAQlgkkx
— 九州の正教会 日本ハリストス正教会九州管区 (@ocjkyushu) 2021年8月25日
加害者は仕事の帰りに酒を飲んだと証言したそうですが、報道では車内に酒の空き容器があったと書かれていました。つまり「常習犯」です。加害者の勤務先はなんと運送会社なのですが、そういう人を雇ってチェックもしていないし、トラックは白ナンバーだし…会社はどう責任を取るつもりでしょうか。
また、加害者は道の脇から人が飛び出してきたので、あわててハンドルを切り損ねたとも証言していますが、テレビで見た現場の映像では、その道路は田んぼの中の直線道路で周りに建物はありません。野良猫じゃあるまいし、どこから人間が飛び出してくるのかと思いました。また、ブレーキ痕は一切なかったとのことですが、急に飛び出した人がいるのにブレーキを踏まないというのは理屈が通りません。
言いたいのは、なぜ自分がやったことを素直に謝らなくて嘘をつくのかということです。反省していなくて、捕まったのは運が悪かった程度にしか思っていないのが見え見えです。
これでは亡くなった子どもは浮かばれないし、今も意識不明の子、重傷を負った子どもは可哀想です。何の罪もないのに。
加害者は先月起訴され、裁判はこれからですが、本人と雇用者の責任の行方を注視しています。
酒酔い運転だけでなく、無謀な危険運転の犠牲者は後を絶ちません。高齢ドライバーの「アクセルとブレーキの踏み間違い」による事故も増えており、池袋での暴走事故は社会問題となっています。これも単なる不注意というより、高齢という不可抗力とはいえ運転者が自分で自分の車を制御する能力に欠けているのですから、実質的に酒酔い運転と同じであり、広義の危険運転だと私は考えます。
いくら酒酔い運転の罰則を厳しくしても、今回の千葉の事件のようにそれが「日常の習慣」だったら防ぎようがありません。また、警察は高齢者の免許返納を呼びかけていますが、本人に運転能力の低下の自覚がなければ馬の耳に念仏ですし、人吉のように車がなければ日常の買い物にも行かれない地方では、運転しないという選択肢自体がありません。
これを解決するには、運転者の善意にいつまでも期待しているのではなく、車の装備の方を変えるべきと考えます。
私の車には安全のために前後のバンパーとドアミラーにセンサーが着いていて、何かに近づくとアラームが鳴り、さらに衝突しそうになると自動的に急ブレーキがかかります。細い道を通る時や狭いところに駐車する時はとてもやりにくいのですが、バックや左折の時など、死角にいる歩行者の安全は確保されます。
大してコストのかかる装備とは思えないので、このセンサーと自動ブレーキを標準装備として義務づけ、未装備車は車検を通れないようにすれば、大幅に交通事故を減らせるはずです。どんな危険な運転をしても、警報とともに車が止まってしまうのですから。
交通事故の犠牲者はほとんどが弱者です。もう危険運転でこれ以上犠牲者が増えないようになってほしいと願っています。