九州の正教会

日本ハリストス正教会のグレゴリー神父です。2019年から九州全域を担当しています。

熊本城ホールの「世界のミイラ展」に行ってみました

今日は熊本ハリストス正教会の会計監査で熊本へ。

宗教法人も一般企業と同じく毎年決算があります。決算は信徒総会(株式会社の株主総会に相当)で承認を取り、所轄官庁(宗教法人は都道府県庁)に提出する義務があります。決算は大企業でも中小企業でも必須であるように、宗教法人もどんな小さくても、ちゃんとやらなくてはなりません。

地方の小教会を担当することになり、内部管理やコンプライアンスがアバウトな印象だったので、決算の経理内容を私が直接チェックすることにしました。前職の「M生命○○支社総務部長」に16年ぶりに戻った気分です。

 

実際の監査は午後だったので、午前中は昨年12月にオープンしたばかりの熊本城ホールに行ってみました。

f:id:frgregory:20200825213146j:plain

熊本城ホール

熊本城ホールは熊本市中心地の桜町の再開発で昨年できた複合施設「サクラマチ クマモト」の中にあります。

当然ながら、ホールも商業棟も真新しくてなかなか立派です。

 

見たかったのはホールの開業記念イベント「世界のミイラ展」。

今年3月から6月までの開催予定だったのが、コロナ禍でホールが一時休業となり、期間が9月まで延長されたので来ることができました。

f:id:frgregory:20200825213736j:plain

 

古代エジプトだけでなく、インカ帝国ニューギニア、ヨーロッパ、さらに日本の即身仏に至るまで、いろいろな時代や地域のミイラを集めて考古学や民俗学的な解説をしています。国立科学博物館が監修しているので、なかなか本格的な内容です。

 

日本にはさすがにありませんが、海外の正教会では「不朽体」(カトリック教会では聖遺物)といって、聖人のミイラ化した遺体が聖堂に安置してあることが普通ですので、私は人間のミイラを見ることに違和感がなく、むしろ敬意を持って接することができます。

その意味では、キリスト教以外のいろいろな宗教文化においても、亡くなった人の肉体をミイラにしてとどめ、敬うことが行われてきたのには、とても興味を引かれました。

 

ということで、今日はひと仕事する前に、寄り道して比較文化のお勉強をしてきた次第です。