今週から大斎が始まり、人吉ハリストス正教会で毎朝夕の「大斎初週祈祷」を続けています。
それにしても、2月後半から暖かい日が続いています。調べてみたら3月になってから今日までの17日間で、20℃以上の日が8日、18℃以上まで広げると11日間もあります。
人吉教会の聖堂の前に桜の木があるのですが、昨日から今日にかけて一気に花が開きました。
境内を見回すと、お花畑のようです。ちなみに、菜の花は植えたものではなく、勝手に生えてきた雑草です。
午前の部の祈祷を終えて、教会の周りを少し歩いてみましたが、どの民家の庭も、やはり花でいっぱい。
復活祭は7週間先ですが、もうとっくに復活祭が終わってしまったような景色。神が大自然に命を与えていることを見せられているようで、希望が湧いてきます。
大斎の趣旨は、復活祭の前に多くの祈りと節制を通して、復活の前にある受難を記憶し、自分自身の悔い改めを進めることにあります。そのためのいわば舞台装置として、聖堂内の装飾や聖職者の祭服なども普段とは異なる暗色に取り換えられます。
しかし、それはわが国の「喪中」とは全く意味が異なります。つまり大斎は他教会で言うような「私たちの罪のために十字架上で死んでくださったイエス様を偲びましょう」という趣旨よりも、主が復活を通して示してくださった「天国における永遠の生命」を受け入れる準備としての、希望に満ちた期間という位置づけなのです。
その意味で、たとえ異常気象とはいえ、今年はこのような希望に満ちた春の景色の中で大斎のお祈りができることを、大変喜ばしく思っています。