昨日は福岡ハリストス正教会で聖体礼儀を執り行いました。
先月福岡市に越してきたばかりの米国出身のニコラスさん(仮名)ご一家が転入して、さらに賑やかになりました。
参祷者は20名。うち8名が幼稚園児から中学生までの子どもでした。
この日は午後から、子どものためのイベント「子ども聖パン教室」を予定していたのですが、普段から来ている子どもたち7名に、さらにニコラスさんの息子で小学一年生のマルコくん(仮名)も新たに加わりました。
子ども聖パン教室とは十数年前、私が前任教会で始めたイベントです。
子どもが粘土遊びが好きなのに着目して、聖体礼儀に欠かせない聖パンづくりに挑戦することで、子どもたちに教会により親しんでもらい、さらには「自分たちが作った聖パンが教会で使われている」という意識づけに繋げようと考えたのです。
福岡での聖体礼儀後はいつもコーヒータイムにしていますが、この日は午後に備えて持ち寄りの昼食会にしました。



食事の後は、子どもたちに持参させた自分のエプロンを付けさせて作業開始。
材料を計量し、30分間かけて交替で手でこねさせました。
台所でお母さんの手伝いをした子はいるでしょうが、台所仕事でたぶんこんな重労働をした子はいなかったようで、だんだん口数が少なくなりました(笑)。
粉をこね終わって発酵を待つ間は、チャペルでお勉強会。
司祭の祭服のパーツの意味について、実際に私がモデルになって着用しながら解説。また祭日ごとの色遣いの違いについても、私の祭服を10着ほど引っ張り出してお話ししました。

そうこうするうちに粉が発酵して膨らんだので作業再開。
麺棒で延ばし、型抜きをし、ギリシャ語で「イイスス・ハリストス・勝利」と書かれた刻印を押して、二枚を重ねて貼り合わせる作業です。





これをオーブンで焼いて完成。
完成品は子どもたちに一個ずつお土産にプレゼントしました。
形は相当いびつでしたが、苦心の作品です!

終了は16時。約3時間の労働で子どもたちは少々くたびれていましたが、初めてのパン作りはとても楽しかったようです。
親に連れられて熱心に教会に来ている子どもたちも中学、高校と進むにつれて来なくなってしまうことが多いです。
しかし、小さい頃に教会で楽しい経験をしたことは、必ず子どもたちの心に刻み込まれていて、将来どこかの段階で教会に戻ってくるものと私は確信しています。
この8人の子どもたちにとっても、福岡教会が良い思い出の場となってくれればと心から願っています。