九州の正教会

日本ハリストス正教会のグレゴリー神父です。2019年から九州全域を担当しています。

福岡で初めて迎える大斎のスタート

今年の大斎が始まりました。

昨年、福岡に新教会を開設して引っ越したので、これまで人吉で迎えていた大斎の開始を今年からは福岡で迎えることになりました。

 

通常では一昨日、3月2日(日)の赦罪の主日聖体礼儀の後、聖堂の内装を黒や紫などの暗色に切り替え、夕刻の「赦罪の晩課」(Forgiveness Vesper)をもって大斎の開始となります。前任地(横浜)でもそうしていました。


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しかし、九州では遠方から参祷している人も少なくないため、午前中の聖体礼儀の後、夕刻に再集合してもらうのは現実的ではありません。

そこで聖体礼儀の終了時に、「赦罪の晩課」の最後に参祷者全員で行う「互いの赦し合い」をすることで、大斎の開始としています。

 

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この「互いの赦し合い」は、復活祭を迎える準備期間である大斎にあたって、自分が悔い改めて神の赦しを願うのであれば、まず自分が他者を赦さなくてはならないという考えに基づくものです。

根拠は赦罪の主日聖体礼儀で読まれるマタイによる福音書の記述にあります。

「もし人の過ちを赦すなら、あなたがたの天の父もあなたがたの過ちをお赦しになる。しかし、もし人を赦さないなら、あなたがたの父もあなたがたの過ちをお赦しにならない」(マタイ6:14-15)

また、キリスト自身が教えてくださった祈りとして、キリスト教会共通の最も重要な祈りと見なされている「天主経」(主の祈り)の文言「我等に債ある者を我等赦すがごとく 我等の債を赦し給へ」を、実践するものでもあります。

大斎のスタートは互いの赦し合いから

福岡の信者さんたちには初体験となる「赦し合い」でしたが、今後正教会の伝統的な典礼が定着していければ良いと思っています。

 

会堂の内装の交換は午後、私たち夫婦で行いました。

大きな教会と違って部屋は狭いし、備品がほとんどないので、5分足らずで終了。

それでも以前の旧伝道所時代は黒布が備え付けられていなかったので、ようやく外見だけでも他の教会と同様の「大斎モード」の会堂になりました。

教会の内装を暗色に切り替え

 

大斎が始まって最初の一週間、つまり3月3日(月)から8日(土)までを大斎初週(The First Week of Great Lent)と呼び、原則として毎朝晩に特別な祈祷を行います。これを「大斎初週祈祷」といいます。

福岡でも初めてとなる大斎初週祈祷を10時から約2時間、17時から約1時間半執り行っています。(朝と晩の祈祷は別の内容です)

早課の最後の「エフレムの祝文」

晩堂大課の「アンドレイのカノン」

大斎期間の平日の祈祷は部屋の照明を点けず、手元のロウソクの灯だけで祈祷書を読むのですが、日が暮れると文字が見えなくなってしまうので、妻がカーテンレールに電球を取り付けました。

日没後は暗くて字が読めなくなるので電球を設置

このような調子で、今週はお祈り漬けの一週間を送ります。