今日は東京の次男が、4月に入籍したお嫁さんを連れて人吉に訪ねてきました。
私が彼女に会うのは初めてです。
次男は大学を卒業後、IT系のベンチャー企業に勤めてまる三年になります。
学生時代から起業していたのですが、その時から今の会社の社長に見込まれていたようです。
入社した時から新規事業の立ち上げを任され、今はその事業部長。会社が上場して事業部が分社化した暁には社長に就く予定です。
彼に結婚を前提につき合っている女性がいることは、昨年知りました。
今年の3月、次男から「結婚することに決めた。彼女を連れて人吉に行くので会ってほしい。お父さんに婚姻届の証人にもなってほしい」と連絡が来ました。
しかし彼らカップルは土日しか休めず、こちらは逆に土日は毎週出張が入っています。しかも大斎期間中なので、祈祷する頻度が増えています。
それで「こっちは大斎で忙しくて、会えないから来なくていいよ。証人の署名はじーじ(東京在住の義父)に書いてもらって」と言って、会うのを断ってしまったのです。
彼女はノンクリスチャンの家庭ですから、当然教会の事情など知らないでしょう。きっと彼女も親御さんも、「結婚の挨拶に行くと言うのに断るなんて、何て非常識な父親だろう」と思ったに違いありません。
結局、次男たちは義父に会って婚姻届に署名してもらい、先月の彼の28歳の誕生日に合わせて入籍しました。
次男から再度連絡があり、平日である今日、二人とも休みが取れることになったとのことだったので、ようやく人吉に来てもらって会うことができたのです。
お嫁さんのアユミさん(仮名)は動物病院の看護師。私たちの長女と同い年で、次男の三歳年上です。とても落ち着いてしっかりした女性でした。
二人を見ていると夫婦というより、やんちゃで奔放な弟と手綱を引き締めるしっかり者の姉のきょうだいという印象です。
つまり、私にしてみれば、実の娘が一人増えたような気持ちになりました。
アユミさんは大変だと思いますが、息子と結婚してくれて本当にありがとう、と親として率直に思います。
彼らをわが家の夕食でもてなすことにし、熊本名物の馬刺しをはじめ、この辺りの食べ物をいろいろ出しました。
人吉で同居している次女は、自分が勤めているベーカリーで特注のメロンケーキを買ってきました。本物のマスクメロンを繰り抜いて、果肉とクリームを詰めたものです。
彼らは結婚式をまだ挙げていないので、わが家の食卓で「新郎新婦の最初の共同作業」として、ケーキカットをしてもらいました。
彼らはわが家に3時間ほどいて、宿屋に帰って行きました。
仕事が忙しくて、明日はすぐ東京に戻るそうです。
アユミさんの親御さんには、7月に全国公会で東京に行った時にお会いし、非礼へのお詫びも兼ねて一席設けさせていただく予定です。
何はともあれ、今日は「神父」でなく「実父」だった一日でした。