九州の正教会

日本ハリストス正教会のグレゴリー神父です。熊本県人吉市から情報発信しています。

瀬戸内海の離島で船舶成聖式

今日はいよいよギリシャの新造船の成聖式です。

 

朝8時に、因島のホテルのすぐそばの桟橋からフェリーに乗船。

車やバイクに乗ったまま乗船し、対岸の生名島に到着すると反対側から自走して降りる仕組みです。

乗船時間は3分ほど。船というより移動式の橋と言った方がよい造りです。

フェリーが桟橋に到着

対岸に向けて航行中


生名島から走って橋を渡り、岩城島へ。

目的地の造船所「岩城造船」に着きました。

岩城造船にて。中央奥の船が成聖の対象。

 

ギリシャから来日している船主たちがチャーター船で到着。彼らと共にゴンドラで吊り上げられて甲板へ。空中から見える海と島々の景色がとにかく綺麗です!

ゴンドラで乗船。空中からの眺め


岩城造船の担当者の案内でブリッジ(操舵室)に行き、祈祷の設営をしました。

成聖式の設営


甲板上では「命名式」というセレモニーが行われています。ちなみに新船の名は「カルロヴァシ」です。

甲板上での命名

 

命名式が終わり、来賓たちがブリッジに上がって来るのを待って、成聖式を開始。

船舶成聖式の祈祷文は全て日本語ですが、正教会式で行う場合、依頼主である主賓はほぼ例外なくギリシャ人なので、「主の祈り」や「光栄讃詞」など、ギリシャ語の祈祷文を知っている個所はギリシャ語で唱えるようにしています。文字通りの顧客サービス(英語で礼拝は「サービス」)です。

 

15分ほどで成聖式を終えて、来賓と共に再びゴンドラに乗って下船。

空中から見る新船のブリッジ

来賓たちを見送って、私もレンタカーで岩城造船を後にしました。

昨日は天気予報が外れ、芸予諸島は激しい雨だったので、今日も雨だったらどうしようと思いましたが(事故防止のため、規則で傘を差して船に乗ることはできない)、実に良い天気で一安心でした。

 

今回は初体験の離島(本土は目と鼻の先ですが)での祈祷で、一泊二日の瀬戸内海の旅を楽しみました。

岩城造船の担当者によれば、岩城島は島全体が桜の名所とのこと。桜の時期にまた祈祷の依頼が来ないかなと、今から期待しています(笑)。