今日は福岡まで足を延ばして西南学院大学博物館を訪ねました。
特別展の「キリスト教美術をみとく ―キリスト・聖母・聖人」を見学するためです。
【次回企画展予告】
— 西南学院大学博物館 (@seinan_museum) 2022年9月2日
「キリスト教美術をみとく ーキリスト・聖母・聖人ー」
会期:2022年9月19日(月・祝)~2023年1月14日(土)
会場:西南学院大学博物館1階特別展示室
キリスト教美術ってなにが描いてあるの?
企画展で一緒に「みとく」力を手に入れよう!https://t.co/gJFIyXGxRR pic.twitter.com/qvweZ4LLPR
展覧会自体は9月からやっていたのですが、全く存在に気がつかなくて最終日に駆け込み訪問となってしまいました…
博物館は正門を入って正面。なかなか立派な建物です。
展示品自体はあまり多くありませんでしたが、キリストやマリヤの生涯、また聖人、特に使徒について分かりやすい説明が表示されていて、キリスト教入門的なコンセプトになっていました。クリスチャンでない方たちには親しみやすくて良い展示だと思いました。
西洋のキリスト教絵画は私には珍しくありませんが、アジア諸国への宣教によって現地で描かれた絵画が結構あり、それは興味を引かれました。
香港で描かれた最後の晩餐の絵皿。
18世紀のフィリピンで描かれた磔刑画。まるでイコンのような画風です。
正教会のイコンも何点かありました。
特に、ルーマニア独特のガラスイコンが展示されていたのが良かったです。
これはハプスブルク領時代のトランシルバニア地方で、正教会が迫害されて新たなイコンを描くことが禁止されたため、素人の信徒が既存のイコンの上にガラスを置いて、なぞって描いたことに由来するものです。
2015年に1週間ほどルーマニアに滞在し、現地の教会を訪ねてガラスイコンもたくさん見てきましたので、懐かしく思い出されました。
ちなみにルーマニアは長い間、オスマントルコとオーストリアに分割されて統治されてきましたが、ムスリムのトルコ領では正教会が容認されて、同じキリスト教徒のハプスブルク家からは差別・迫害されるという、皮肉な歴史を歩んでいます。
事務所では過去の特別展の図録や研究論考が何種類も販売されていたので、「イコン」「東方キリスト教との出会い」「明治日本とキリスト教」の3冊を購入しました。これからじっくり読ませてもらいます。
福岡には出張で頻繁に行っていたし、九州各地の博物館も見てきたのに、今日の今日まで西南学院の博物館の存在を見落としていました。
今後、機会を見てまた来ようと思います。