九州の正教会

日本ハリストス正教会のグレゴリー神父です。2019年から九州全域を担当しています。

今週の船舶成聖・二回目 25年ぶりに訪ねた四国

月曜日に引き続き、昨日も同じオーナーの船を成聖してきました。
場所は愛媛県西条市です。

 

私は学生時代、バックパック旅行が好きで、四国も3週間かけて回りました。しかし、西条市には特に見るものがないので、予讃本線で通り過ぎてしまいました。

それ以後、四国の地を踏んだのは25年ほど前、以前の会社の社内旅行で道後温泉に行ったのが最後です。

同じ日本だからどうということはないのですが、やはり初めて行く場所、また長期間行っていない場所に行くのはワクワクします。

 

人吉からどうやって現地に行くかが課題でしたが、オーナー企業の日本人役員の方が、福岡空港からなら松山行きの航空便があると教えてくださいました。それを利用すれば福岡から日帰りで往復できるというお話です。

 

そのようなわけで、朝に人吉を出て車で福岡空港に行き、12時発の飛行機に乗って松山へ。空港にはオーナー企業が手配したタクシーが迎えに来ていました。

現地の工場までは高速で片道1時間ほどかかるのですが、それにしても往復送迎車付きなんて、これまでの下請けの作業員と一緒の扱い(海上で縄ばしごを昇らされた)とは雲泥の差です。

 

14時に現地に到着。

対象の船「ナヴィオス・アルモニア」は月曜日に成聖したものと姉妹船で、外見も内部の仕様もそっくりでした。

新船「ナヴィオス・アルモニア」

造船会社の社員の案内でブリッジに行き、祈祷の設営をしました。

成聖式の設営

地上ではアメリカから来たオーナー企業の役員たち(もちろん月曜日と同じメンバー)をゲストに、「命名式」(新船完成の記念式典)が行われていました。

命名

ブリッジは当然ながら船の最上階にあり、地上からは高さ40mくらいありますが、私は他の社員や船員と同じく階段で上がりました。

しかし、地上にいるお偉方はどうやって乗船するのかなと思って見ていたら、何とコンテナのようなゴンドラに乗ってクレーンで甲板に釣り上げていました。

こんなの見るのは初めてです!

幹部が乗ったゴンドラ

お偉方がブリッジに上がってくるのを待って成聖式を開式。

祈祷の後は、幹部のレセプションが行われている約30分ほどの間にエンジンルームに行き、機械類を成聖して来いとの話です。

それでフィリピン人の機関長の案内で、聖水を撒いて回りました。エンジンは船内の一番底にあり、しかも機械類は何フロアにもわたってあるので、階段の昇り降りが実に多く、ハードな有酸素運動となりました。

 

成聖が終わって下船するときは、ゴンドラで幹部と同乗してください、ということで乗り込みました。

内部は電車の車両とそっくりの仕様でした。

ゴンドラの内部。電車みたい。

15時半に下船して再び送迎のタクシーに乗り、松山空港へ。

結局、25年ぶりの四国訪問でしたが、松山空港に着いてから戻ってくるまでわずか4時間足らず、うち現地の事業所にいたのは1時間半ほどで、何かを見物してくる余裕は全くありませんでした…

 

福岡空港に着いたのは19時前。週末は熊本巡回のため、人吉まで戻るのは時間と高速料金のロスになるので、福岡市内のホテルに宿泊。今日も福岡や熊本で教会関係の雑事をしてから熊本市内のホテルに泊まるつもりでした。

しかし、過去最大級の台風14号が九州に接近中。日曜日には九州に上陸の見込みとなりました。

そこで信徒の安全を配慮し、熊本巡回を中止することにして今朝信徒に連絡。私も人吉に戻りました。

船舶成聖が嵐に見舞われなかったのは幸いでしたが、これから教会に被害が出ないよう祈るばかりです。

今回の台風は日本列島を縦断するとの予報なので、どこにお住いの方でも防災の備えは万全になさいますように。