この週末は福岡巡回でした。
福岡県内はコロナの新規感染者数が連日5千人超えで、巡回をどうしようか迷い続けましたが、祈りを守ることは私の責務ですし、祈祷に来る来ないは教会が強制することではなく、本人が考えることですから、予定通り聖体礼儀を行いました。
本州も北海道も大雪に見舞われたようですが、昨日は九州も雪の予報でした。
実際には福岡も熊本も雪は降りませんでしたが、その代わり昨日も今日も気温が上がらず、日中も冷凍庫にいるような寒さでした。
コロナ禍でもあるし、聖体礼儀をやっても参祷者がいないかも知れないと思いましたが、6人も教会に来ました。普段の半分以下とはいえ、九州の他の三教会の普段の参祷者数より多いです。福岡は熱心な信徒が多くて、こちらも励まされます。
さて、昨日は昼に福岡に着いて、福岡市美術館で開催されているゴッホ展に行きました。
昨年9月から12月まで、東京都美術館で開催されており、引き続き福岡で開催されたものです。
オランダのクレラー=ミュラー美術館収蔵のゴッホ作品52点に、ミレーやルノワールらの作品を加えた全72点の展示です。わが国でゴッホ作品を一度に50点以上も展示する展覧会は、滅多にないのではないでしょうか。
最晩年の傑作「夜のプロヴァンスの田舎道」(通称「糸杉」)が目玉ですが、生涯で10年間しか絵を描いていなかったゴッホの作風の変遷をたっぷり見ることができて、大満足でした。
さて、出品元のクレラー=ミュラー美術館は、個人では世界一のゴッホ収集家だったオランダの大富豪、ヘレーネ・クレラー=ミュラー(1869-1939)が創立したもの。アムステルダムのゴッホ美術館と並ぶ世界二大ゴッホ美術館だそうです。
ヘレーネが初めてゴッホの作品を購入したのは、ゴッホの死からわずか18年後の1908年。その後亡くなる直前まで買い集め、270点も所有するに至ったそうです。
彼女がゴッホの作品を買い始めた当初は、ゴッホはまだ一般に知られていませんでした。彼女はお金儲けより、純粋に「金持ちの道楽」でゴッホを気に入って買っていたのだと思いますが、それにしても大変な先見の明の持ち主ですね。
私の住む人吉球磨地方は自然環境が良くて、歴史的な有形無形の文化財もたくさんありますが、美術館やコンサートホールがありません。そのため、美術や音楽鑑賞が好きな私たち夫婦は、地元でそういうものに接する機会が少なくて物足りなさを感じてもいます。
そのようなわけで、私は都会に行ける毎週末の巡回が楽しみで、いつも事前に催し物をチェックしています。もちろん巡回は仕事であって、遊びに行っているのではありませんが、そこに楽しみを見出すことも大切なことだと思っています。