先週の土曜日は人吉の復興を祈念して、二つのイベントが並行して開催されました。
一つはランタンフェスティバル。これは商工会議所の主催で、人吉城址前の広場で市民たちがランタンを空に上げるという趣向です。
もう一つは人吉よさこい祭。これは今年で六回目になるイベントですが、去年はコロナと水害のため中止になり、今年のランタンフェスティバルに合わせて再開されたものです。
イベント前日の金曜日夜、青井阿蘇神社で人吉のよさこいサークル「銀翔会」が奉納演舞をしました。このサークルの会長は人吉教会の近所にお住まいで、私たち夫婦も良く知っている方なので、見に行ってみました。
翌日のイベント当日は、15時からメイン会場の人吉城址でよさこい団体がパフォーマンスを競演しました。
人吉球磨のような過疎の農業地域で、ダンスサークルがいくつもあるのには驚きました。まあ、いくら地方とはいえ皆が皆、民謡や神楽だけが趣味ということはないのだから当たり前なのですが…
今年もコロナのため、開催が危ぶまれていたそうなのですが、実現できて良かったです。
また、妻が所属している手話サークルも聴覚障害者の方たちと共に「手話の合唱」を披露しました。
これは演奏されている歌の歌詞に合わせて手話をするものです。もちろん聴覚障害者の方は、伴奏も他人の声も聞こえませんから、補助者が指し示す歌詞を見ながらパフォーマンスしています。
楽器だけでなくヴォーカルの隊員もいて、とても上手い楽団でした。自衛官とはいえ、音楽専従で働いているのですから、文字通りプロの演奏家です。
さて、この日のイベントは事前にクラウドファンディングで寄付金を募っていました。私も広い意味の人吉復興支援に繋がればと思って、教会名で個人的に寄付しました。
寄付した企業はメイン会場に飾り付けられた和傘に名前が出るということで、どこに出ているか捜しました。字が小さすぎて見つけるのに苦労しましたが…
日暮れに近づき、いよいよランタンの打ち上げが迫りました。
このランタンは事前に商工会議所に申し込んだ市民に割り当てられたものです。もちろんわが家も申し込みました。
ランタンと言ってももちろん火気を使ったものではなく、ケミカルライトを仕込んだ風船です。また、空に飛ばしてしまうのではなく、糸を引っ張って手元に戻し、持ち帰るようになっています。
18時15分から市長や商工会議所会頭の挨拶があり、カウントダウンに合わせて約1000個のランタンが一斉に上げられました。
もともと夜は真っ暗な広場ですので、見栄えがして綺麗でした。
水害から1年4か月経ちましたが、市内はまだ廃墟も多く残っています。鉄道も人吉市の東隣の錦町以東(球磨川の上流方向)は今月再開予定ですが、人吉市以西は未だに復旧のめどが立っていません。
しかし、このイベントには、私が一昨年に人吉に来てからこれまで見たことがないくらいの人数が集まっていました。どの人吉市民も、復興に対するそれぞれの思いがあるということなのでしょう。
イベント自体は一過性のものですが、私たち市民が今後も継続的に復興に努力していくための意思結集の機会となったのなら、良かったと思っています。