9月21日(ユリウス暦の9月8日)は、イエスの母マリヤの誕生を記憶する生神女誕生祭(Nativity of the Theotokos)です。
ギリシャやルーマニアなど、教会暦にグレゴリオ暦を採用している正教会では、暦どおりに9月8日が祭日となります。もちろんカトリック教会の教会暦もグレゴリオ暦ですから、やはり9月8日です。
生神女(カトリック教会では「聖母」または「神の母」と呼称)マリヤの誕生を祝うことは、4世紀にエルサレムで始まりました。主の降誕祭が「イエスの誕生日」でなく「救世主がこの世に生まれたことの記念」であるのと同様、マリヤの誕生日も不明であり、必ずしも今日だとは言えないのですが。
私の教会管区では平日に聖体礼儀を行わないので、生神女誕生は一昨日の主日聖体礼儀の中で前倒しで記憶してしまいました。
さて、生神女誕生祭はユリウス暦だと秋分の日の直前となり、わが国だとお彼岸の時期と重なります。
神学的には秋分とも、もちろんお彼岸とも全く関係はないのですが、わが国では「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉があるように、マリヤの誕生を気候の良いこの時期に祝うことができるのは喜ばしいことだと思っています。
この時期に咲く花は、何と言っても文字通りヒガンバナです。
司祭館の周りでは田んぼにたくさん生えていて見事です。こちらではほぼ雑草状態で珍しくない花なので、地元の人々は通り過ぎてしまうのですが。
さらに今日は太陰暦の8月15日。偶然、生神女誕生祭と中秋の名月が重なりました。
九州地方の今夜は曇りの予報でしたが、良い方に外れて、空を見ると太陽のようにまばゆいばかりの満月が出ていました。
一部の田んぼでは稲刈りも始まっています。
日本の秋の美しい風景の中で、マリヤの誕生を祝うことができました。